円福寺(えんぷくじ)宝篋印塔

 円福寺(えんぷくじ)(奈良県生駒市有里町390)

  天平年間(749~757)に行基によって開かれた古刹。現在は真言律宗を奉じる

円福寺宝篋印塔(重要文化財、鎌倉時代、花崗岩)

二基の美しい宝篋印塔がある

  円福寺(えんぷくじ)宝篋印塔 北塔 (永仁元年 銘)

塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(キリーク:阿弥陀)
二基並んだ左側の宝篋印塔で相輪に至るまで完存する 塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(アク:不空成就)

円福寺(えんぷくじ)宝篋印塔 北塔(重要文化財、鎌倉時代後期 永仁元年 1293年、花崗岩、高さ 239Cm)

笠の段形は、下二段、上六段、隅飾は一弧輪で無地、少し外に反る

塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(ウーン:阿閦如来)
塔身、月輪内に金剛界四仏の種子を薬研彫りする(タラーク:宝生如来) 鎌倉時代を代表する標本’ といわれる第一級の宝篋印塔

基礎上端は二段で北側面に刻銘がある

刻銘:「右志者、為自他滅罪生善、往生浄刹、七世四恩、法界衆生平等利益、造立如件、永仁元年壬辰十二月十六日 元祖□□」

あと三行あるが摩滅がひどくよめないという。干支の壬辰は誤って前年のを用いている。鎌倉時代後期の永仁元年(1293)の作品

  円福寺(えんぷくじ)宝篋印塔 南塔

塔身 西面(正面)、舟形を彫りくぼめ四方仏を半肉彫りする
二基並んだ右側の宝篋印塔で相輪に至るまで完存する 塔身 南面、舟形を彫りくぼめ四方仏を半肉彫りする

円福寺宝篋印塔 南塔(重要文化財、鎌倉時代後期、花崗岩、高さ 236Cm)

笠は、下に連弁をつける珍しいもの、上も珍しい七段、隅飾は一弧で無地

塔身 東面(背面)、舟形を彫りくぼめ四方仏を半肉彫りする
塔身 北面、舟形を彫りくぼめ四方仏を半肉彫りする 塔身が上下蓮弁式で、像容をはさみ華麗な姿をみせる

基礎上端は反花(かえりばな)、側面は四面とも無地

円福寺本堂(重要文化財、室町時代初期 応安四年 1371年、本瓦葺)

(梁間三間、桁行三間、入母屋造)

 大福寺(だいふくじ)板碑群                               石仏と石塔-目次!

円 福 寺

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*円福寺には、近鉄生駒線「南生駒駅」下車、北西 約1.6Km。

(撮影:平成19年3月21日、平成20年8月5日)