石福寺(せきふくじ)(奈良県生駒市萩の台1071)
石福寺は、二基の六字名号板碑があり、二基とも六斎念仏の文字を刻み、この地(乙田村)での当時の念仏信仰を物語る。
石福寺(せきふくじ)六字名号板碑(安土桃山時代 天正四年 1576年、花崗岩、高さ 138Cm)
頭部山形で、二段の切込をつくる。額部の下を枠取りし、上部に阿弥陀三尊の種子、下部に「南無阿弥陀仏」の六字名号を大きく刻む。 |
板碑 上部
頭部山形は尖り、その下に二段の切込をつくる
枠内、月輪を陽刻し阿弥陀の種子「キリーク」、下に観音・勢至の種子 | 六字名号の左右の束に銘文を刻む |
銘文:「乙田村六斎念仏人衆四十二人居念仏五十六人」「天正二二(四)丙子年(1576)十月十五日各々敬白」
石福寺(せきふくじ)六字名号板碑(安土桃山時代 慶長六年 1601年、花崗岩、高さ 110Cm)
頭部山形で、下に切込をつくる。額部の下を枠取りし、上部に阿弥陀三尊の種子、下部は蓮華座上に「南無阿弥陀仏」の名号を刻む |
板碑 上部
頭部山形、その下に切込をつくる
枠内の上部に月輪を陽刻し、阿弥陀の種子「キリーク」、下に観音の種子「サ」、勢至の種子「サク」、名号の左右の束に銘文を刻む |
銘文:「六斎念仏講衆廿八人居念仏八十七人」「慶長六年(1601)辛丑二月十五日乙田村」
二基の名号板碑は、阿弥陀仏の縁日である15日に造立されている。
石福寺本堂横、一列に並んだ六基の板碑
三基の十三仏板碑、二基の六字名号板碑、一基の三界万霊碑が立っている。五基は桃山時代の紀年銘がある
*近鉄 生駒線「南生駒駅」下車、南東方向へ 徒歩 約13分。
(撮影:平成23年1月12日)