洞の地蔵石仏(奈良県奈良市高畑町洞)
奈良県新公会堂から東へ、若草山南麓の道を水谷川(みやがわ)に沿って歩く。舗装された道が地道にかわり、さらに進むと、左側の同一場所に地蔵石仏と仏頭石がある
洞(ほら)の地蔵石仏(鎌倉時代中期 建長六年 1254年銘、安山岩、高さ 119Cm)
板状自然石の表面に、蓮華座上に立つ地蔵菩薩を薄肉彫りする |
紅葉林のなかに倒れたままおかれている
地蔵石仏 上部
頭部の背後に頭光を負い、お顔はやや角ばった形で、薄肉に彫られる。格調が高く美しい
刻銘:「勧進多門丸」 | 刻銘:「建長六年(1254)八月日」 |
光背の両脇に「建長六年(1254)八月日」、「勧進多門丸」の刻銘がある。鎌倉時代中期の在銘石仏で、時代の特徴をよく表している。
地蔵石仏 下部
蓮華座上に立つ。足の形や衲衣が自然体で、のびやかな感じがする
地蔵は、頭部と体部の背後にそれぞれ光背を表す二重円光背を負い、右手に錫杖、左手に宝珠を持つ。のびやかな表現で、格調の高い優品 |
地蔵石仏の隣には、珍しい形状をした仏頭石が立つ
* 近鉄奈良駅下車、東方向へ 約2.3Km。
(撮影:平成19年2月11日、平成23年3月3日)