講御堂寺(奈良県五條市五條1-1-14)
南北朝時代中期の延文三年(1358)の銘を持つ美しい四角型石燈籠
講御堂寺 石燈籠(南北朝時代中期 延文三年 1358年、花崗岩、高さ 203Cm)
単弁の請花上に、宝珠を載せる。当初のものではなく別物。 | ||
四角型の石燈籠は、本堂前、中央に立っている | 火袋は、火口二面で、上区は二区斜十字、下区は菱形を刻む |
火袋の壁面二面は、上区二区斜十字、中区は横連子の下に相対する狛犬を薄肉彫りし、下区は二区で陽刻格狭間を刻む。
笠の軒は薄く、水平にのび、両端で緩く反らせ、屋根に桧皮葺状の作り出しを設け、軒裏に一段の垂木型をつくる
中台は、上端に二段の請座、側面は二区に分け格狭間をつくる。下端は覆輪付単弁請花を刻出する
竿は、折損し補修の痕が見られる。背面に、梵字、造立趣旨や紀年銘が刻まれている。また、竿の上端が少し切断されている。 |
竿 上方は観音菩薩の種子「サ」、勢至菩薩の種子「サク」を刻み、両菩薩の上にあるはずの阿弥陀の種子「キリーク」は切断されている。
中央の刻銘:「奉為大和国広口寺金堂法界一味也」、向かって左の刻銘:「延文三(1358)戊戌四月十二日」
向かって右の刻銘:「権律師、地蔵菩薩の種子、 「カ」 続いて 堯誉」の刻銘がある
基 礎
基礎上端は複弁反花座、側面は二区に分け格狭間をつくる
講御堂寺 向唐門
講御堂寺 本堂(間口五間、奥行六間、寄棟造、本瓦葺、昭和四十八年 1973年再建、本瓦葺)
講御堂寺は、第八十一世 唐招提寺長老の森本孝順(もりもときょうじゅん)師が住職をされていた寺院
*JR和歌山線「五条駅」下車、南西方向へ徒歩 約10分。
(撮影:平成22年5月14日)