尼ヶ辻(あまがつじ)地蔵石仏(奈良県奈良市四条大路5丁目)
地蔵は「縁切り地蔵」と呼ばれ、尼寺に入る女性が、この地蔵の前で俗生と縁を切ったという。
尼ヶ辻 地蔵石仏 (市指定文化財、鎌倉時代中期 文永二年 1265年、安山岩、高さ 206Cm)
頭光と身光をつくり、前面に蓮華座に立つ地蔵菩薩を半肉彫りする。鎌倉時代中期の文永二年(1265)の作 |
地蔵 胴部
地蔵は、右手を垂れて与願印、左手は胸前で宝珠を持つ古式の形相
お顔は、鼻が少し欠けているが気にならない。端正で引き締まった顔立ちに、古より続く、数え切れないほど多くの願いが込められている |
地蔵 下部
足指の形まで正確に刻まれる
右手は垂れて与願印、衣文の襞(ひだ)はU字型に足上まで繰り返し刻まれている。左右の光背面に、下記の銘文を刻む |
光背左右の銘文:「為悲母得脱造立 文永二(1265)乙丑八月日」「以口口者七世恩所六道衆生普利」
地蔵が安置されている地蔵堂
光背に刻まれた「文永二(1265)乙丑八月日」の文字 | 地蔵は、黒石で硬質の石材が使われ丁寧に彫られている |
*近鉄橿原線 「尼ヶ辻駅」下車、東方向へ約 400m。「三条大路5」交差点 西 約50mの道路南側、小地蔵堂に安置されている。
(撮影:平成22年3月19日)