大迫寺跡(おおさこじあと)(宮崎県日南市大字吉野方内ノ迫)
安土桃山時代 天正五年(1577)三月二十一日の紀年銘がある一重石塔で、隆恵の逆修塔として作られている。
大迫寺跡(おおさこじあと)一重石塔(中央) (県指定文化財、安土桃山時代 天正五年 1577年、凝灰岩、)
前記、多宝塔の下段に立つ。形状は一重塔で、五輪塔の水輪の部分が方形になっている。塔身正面に「本坊権大僧都隆恵、逆修」と刻まれている。 |
京都 高山寺の如法塔に形状が似ているため一重の塔としたが、頭部の宝珠・請花と笠は後補の可能性もある。
頭 部
宝珠・請花は一石でつくられている。
笠
軒口厚く、傾斜もやや深い。
軸 部
正面に「本坊権大僧都隆恵、逆修」、「天正五年丁丑、三月二十一日」の刻銘がある。
また、正面から右回りに「バ・バー・バン・バク」の梵字を刻む。
軸部正面の刻銘
刻銘:「本坊権大僧都隆恵、逆修」、「天正五年丁丑、三月二十一日」
基礎 正面
中央に梵字「ア」を刻む。宝珠・請花と笠が後補とすれば、各々に五大の梵字があったかもしれない。
大迫寺跡(おおさこじあと)仁王門付近の石造遺品 石仏と石塔-目次!
大迫寺跡(おおさこじあと)石塔群〈部分)
本石塔は、下段右端。また、下段の右から二基目(バン)と左から二基目(ア)の板碑
にも本石塔と同じ「天正五年(1577)三月二十一日」の紀年銘がある。
*JR日南線 「飫肥駅」下車、西方向へ 徒歩 約40分。駅前にレンタサイクルがある。
(撮影:平成26年 5月29日)