(仙台市史 No:H15-3)
諏訪神社(すわじんじゃ)(宮城県仙台市太白区郡山5-13-8)
大日法身真言 「ア・バン・ラン・カン・ケン」を五輪塔形に刻んだ結衆石塔婆で、鎌倉時代後期 延慶二年(1310)の紀年銘がある。
諏訪神社 梵字五輪塔石塔婆(鎌倉時代後期 延慶三年 1310年、安山岩、高さ 140Cm 幅 59.5Cm 厚さ 23Cm)
神社は、もとJR長町駅付近にあり、大正十一年 境内地が操車場に指定された為、同十三年 石塔婆ともども現在地に移転した。 |
頭部中央に大日法身真言 「ア・バン・ラン・カン・ケン」の梵字を下から上に、向い合わせて五輪塔形に図案化し、下方に紀年銘を刻む。
石塔婆 頭部
大日法身真言「ア・バン・ラン・カン・ケン」を下から上に刻む。
大日法身真言は、「ケン・カン」を空・風輪に各一字、「ラン・バン・ア」を火・水・地輪として左右対称に各二字、五輪塔形に刻み図案化する。
五輪塔形大日法身真言(ア・バン・ラン・カン・ケン) | 身部下方の刻銘 |
碑面は、丁寧に研磨が施されている。身部下方の刻銘は、「延慶三年(1310)庚戌臘月(十二月)中旬面々各々 敬白」と刻む。
鎌倉時代後期 延慶三年(1310)十二月中旬、面々各々の結衆により造立された。
「仙台市と多賀城市の結衆板碑」(「中世奥羽と板碑の世界」 高志書院)で石黒伸一朗氏は、十二月中旬
を「懺悔滅罪を祈願する仏名会」と解し、仏名会に際して「面々各々」により造立された結衆板碑としている。
石塔婆 下部
中央に紀年銘を刻んでいる。
刻銘:「延慶三年(1310)」 | 石塔婆、側・背面 |
この地域には四隅を守る石塔婆という伝承があり、本石塔婆は南西を守るものであったという。
神社境内、四基の中世石塔婆
諏訪神社(すわじんじゃ)阿弥陀種子石塔婆 石仏と石塔-目次!
諏訪神社 (すわじんじゃ)
平安時代後期 天喜四年(1056)陸奥守 鎮府将軍 源頼義が諏訪の大神を勧請して創建した。
*東北本線「太子堂駅」下車、東方向へ徒歩 約9分。
(撮影:平成25年10月10日)