(仙台市史 No:I 23-3)
中田伊豆野権現 古碑群(宮城県仙台市太白区西中田1-20)
鎌倉時代後期 元亨二年(1320)の在銘で、本石塔婆群中一番古い石塔婆。石材は、他と異なり名取川上流の秋保石(あきういし)製。
一尊種子 石塔婆 (鎌倉時代後期 正安二年 1300年、秋保石:軽石凝灰岩、高さ 100Cm 幅 75.6Cm 厚さ 39.4Cm) |
仙台市太白区秋保(あきう)産の秋保石を利用、碑面上方に種子「アン」、下方に「正安二口(1320)八月・・・」の紀年銘を刻む。
伊豆野権現(中央の祠)への石段、左手に立つ。摩耗が進む。 | 種子「アン」を薬研彫する。 |
種子「アン」は、胎蔵界四仏の「無量寿如来(阿弥陀)」や釈迦三尊の「普賢菩薩」としてお馴染みで、他に「金剛光」・「大日如来(胎)」等に使われる。
石塔婆 下部
中央に「正安二口(1320)八月・・・」の紀年銘がある。
中田伊豆野権現 古碑群(宮城県仙台市太白区西中田1-20)
紀年銘のない石塔婆八基(種子「バン」の一基省略)。
観音種子石塔婆(仙台市史 No:I 23-1) | 金剛界大日種子石塔婆(仙台市史 No:I 23-4) | |
紀年銘なし、安山岩、高さ 65.4Cm 幅 38.2Cm | 紀年銘なし、安山岩、高さ 70.8Cm 幅 33.8Cm | |
種子:「サ」(観音菩薩) | 種子:「バン」(金剛界大日如来) |
石塔婆群は、種子「アン」を刻む正安二年(1300)銘石塔婆を除き、他の十一基は名取川の河原石(安山岩)を利用する。
阿閦(あしゅく)種子石塔婆(仙台市史 No:I 23-6) | 金剛界大日種子石塔婆(仙台市史 No:I 23-9) | |
紀年銘なし、安山岩、高さ 78Cm 幅 39.8Cm | 紀年銘なし、安山岩、高さ 100.4Cm 幅 37.3Cm | |
種子:「ウーン」(阿閦如来) | 種子:「バン」(金剛界大日如来) |
伊豆野権現社後方の石塔婆、三基
金剛界大日種子石塔婆(仙台市史 No:I 23-10) | 地蔵種子石塔婆(仙台市史 No:I 23-11) | |
紀年銘なし、安山岩、高さ 74Cm 幅 35Cm | 紀年銘なし、安山岩、高さ 68.4Cm 幅 35.6Cm | |
種子:「バン」(金剛界大日如来) | 種子:「イー」(地蔵菩薩) |
本石塔婆群十二基の主尊種子は、金剛界大日種子「バン」が最も多い四基で、胎蔵界大日種子「ア」が二基、他の六基は異なる種子を刻んでいる。
地蔵種子石塔婆(仙台市史 No:I 23-12) | 阿弥陀種子石塔婆(仙台市史 No:I 23-8) | |
紀年銘なし、安山岩、高さ 68.5Cm 幅 31.4Cm | 紀年銘なし、安山岩、高さ 88Cm 幅 45Cm | |
種子:「カ」(地蔵菩薩) | 種子:「キリーク」(阿弥陀如来) |
落合(おちあい)観音堂 阿弥陀種子石塔婆 石仏と石塔-目次!
中田伊豆野 権現社(中央)
石塔婆は十二基で、八種の主尊種子が刻まれている。
*東北本線「南仙台駅」下車、西方向へ 徒歩約3分。
(撮影:平成25年10月10日)