(仙台市史 No:E 3-1)
東北大学植物園(青葉山)内(宮城県仙台市青葉区川内12-2)
青葉山に二基並んで立つ大型石塔婆の一基で仙台では一番大きい。鎌倉時代 後期 正安四年(1302)の在銘。
川内(かわうち)不動種子石塔婆 (鎌倉時代後期 正安四年 1302年、粘板岩、高さ 386Cm 幅 49.2Cm 厚さ 43.6Cm) |
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弘安十年銘 金剛界大日三尊種子石塔婆と並び立つ。碑面は、上方 に不動種子「カーンマーン」、下方に二行 願文と紀年銘を刻む。 |
石塔婆 頭部
頂部は、山形に似せ加工。石材は、井内石。
石塔婆上方、不動明王種子「カーンマーン」 | 石塔婆下方、二行に亘り刻銘がある。 |
石塔婆 下方 (刻銘):「右志者為四十余人講衆面々各々所志聖霊往生極楽證大、
菩提(異体文字)乃至法界衆生平等利益 正安四年五月十四日、敬白」
刻銘、上部 | 刻銘、下部 |
一行目:「右志者為四十余人講衆面々各々所志聖霊往生極楽證大」
二行目:「菩提(異体文字)乃至法界衆生平等利益 正安四年(1302)五月十四日、敬白」
鎌倉時代後期 正安四年(1302)五月十四日、四十余人の講衆が被供養者の極楽往生を願って造立した。
刻銘:「正安四年(1302)五月」 | 刻銘:「四十余人 講衆」 |
本碑は、四十余人の講衆が建てた結衆石塔婆で、被供養者の名は記されていないが、留守一族と考えられている。
向って右側面、石引き用の穴が二つある。 | 石塔婆、向って左側面 及び 背面 |
青葉山に並んで立つ「蒙古の碑」と「正安の碑」
向って左側は「蒙古の碑」と呼ばれている、弘安十年(1287)銘のアルコース砂岩製石塔婆。
現地説明板によれば、石塔婆は「子供の百日咳を治す霊験があると言われ、永く信仰されて来た」という。
*石塔婆は、植物園内に立っている(開園期間は、春分の日から~11月30日。有料)。植物園には、JR仙台駅前から市バス 719系統 動物園循環 に乗車、「青葉山植物園ゲート前バス停」下車、徒歩 約1分。
(撮影:平成26年4月9日)