(仙台市史 No:I 11-7)
延命寺跡(えんめいじあと)古碑群(日向古碑群)(宮城県仙台市太白区柳生5-11)
正面に主尊種子「キリーク」、両側面に脇侍種子「サ」・「サク」刻んだ石塔婆で、鎌倉時代中期 建治三年(1277)の紀年銘がある。
延命寺跡 阿弥陀三尊種子石塔婆(鎌倉時代中期 建治三年 1277年、安山岩、高さ 69.2Cm 幅 38.6Cm 厚さ 37.2Cm)
正面に阿弥陀種子「キリーク」、向って右側面に観音種子「サ」、左側面に勢至「サク」、下方に願文と紀年銘を刻む。 |
石塔婆 下部
中央に「建治三(1277)・・」、左右に「右・・・」、「・・生死」と刻む。左端に「平義敬」の追刻がある。
当古碑群のなかで、一番古い紀年銘を持ち、仙台市内 約二百基の有紀年銘石塔婆でも、十番目に古い。
延命寺跡(えんめいじあと)古碑群(日向古碑群)(宮城県仙台市太白区柳生5-11)
胎蔵界大日種子「ア」を主尊とする石塔婆で、鎌倉時代中期 弘安年間(1278~88)の紀年銘がある。
延命寺跡 胎蔵界大日種子石塔婆(鎌倉時代中期 弘安年間 1278~88年、安山岩、高さ 50.5Cm 幅 26.4Cm 厚さ 20.5Cm)
名取川の河原石を利用、碑面上方に大きく胎蔵界大日如来の種子「ア」、下方に「弘安年(1278~88)四月」の紀年銘を刻む。
碑面は、摩耗・風化が進んでいる。
延命寺跡(えんめいじあと)古碑群(日向古碑群)(宮城県仙台市太白区柳生5-11)
釈迦種子「バク」を主尊とする石塔婆で、鎌倉時代後期 文保三年(1319)の紀年銘がある。
延命寺跡 釈迦種子石塔婆(鎌倉時代後期 文保三年 1319年、安山岩、高さ 73Cm 幅 34.4Cm 厚さ 30.8Cm)
名取川の河原石を利用、碑面上方に大きく釈迦如来の種子「バク」、下方に「文保三年(1319)四月廿四日」の紀年銘を刻む。 |
石塔婆 上方
釈迦如来の種子「バク」を薬研彫する。
刻銘:「文保三年(1319)四月廿四日」 | 碑面は、摩耗・風化が進んでいる。 |
延命寺跡古碑群 [日向(ひなた)古碑群 ](部分)
建治三年(1277)銘石塔婆は前列右側、文保三年(1319)銘石塔婆は前列中央。
延命寺跡古碑群 [日向(ひなた)古碑群 ](全景)
昭和五十年代末から当地区の区画整理事業の一環として小公園が作られ、前・後列合わせて十九基の中世石塔婆が置かれている。
石塔婆は、真言宗 延命寺跡と伝える一段高い雑木林の中に近世の墓碑等と共にあったという。
*東北本線「南仙台駅」下車、西方向へ 約1.8Km。
(撮影:平成25年10月10日)