北目薬師堂(やくしどう)[宮城県名取市愛島北目(めでしまきため)切通]
宮城県では極めて珍しい形状の板碑で、鎌倉時代中期 弘安六年(1283)の紀年銘がある。
北目薬師堂(きためやくしどう)阿弥陀種子板碑 (鎌倉時代中期 弘安六年 1283年、安山岩、高さ 140Cm)
板碑は、身部を内に彫り込み、額部と根部が出張った形。身部は、上方に阿弥陀の種子、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。 |
山形県や福島県で見かける「東北型と呼ばれる板碑」だが、宮城県では極めて珍しいい。
板碑 頭部
頭部は、ドーム型で丸みを帯び、二条線はない。額部は薄く突出する。
板碑 上部
阿弥陀如来の種子「キリーク」を薬研彫する。
板碑 下部 (刻銘)
中央に「弘安六年(1283)歳次、癸未、三月三日、孝子、敬白」、左右に「右志者為悲母聖霊」、「相當五七日成佛得道也」と刻む。
鎌倉中期 弘安六年(1283)三月三日、亡き母の三十五日忌(五七日忌)にあたり、追善供養として本板碑が造立された。
刻銘:「相當五七日」 | 刻銘:「弘安六年(1283)歳次、癸未、三月」 |
板碑 根部
根部は、突出する。
北目薬師堂(きためやくしどう)阿弥陀種子板碑、背面・及び側面
側面・及び背面は、自然石を荒く整形したままの状態。
北目薬師堂(きためやくしどう)
薬師堂は、地図では「薬師神社」となっている。板碑は、薬師堂の向って右側に立つ。
*JR東北本線 名取駅西口から名取市乗合バス 北目上原線 に乗車、「八幡前バス停」下車、すぐ。または、名取駅の二階 コミュニティプラザでレンタサイクルを借りるのも便利。
(撮影:平成26年4月8日)