山口家（やまぐちけ）石塔婆群 （宮城県石巻市東福田字馬場）
五七日忌に造立された石塔婆で、その本尊 地蔵種子及び仏説延命地蔵菩薩経に出る偈を刻んでいる。室町時代前期 応永十八年（1411）の在銘。
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| 山口家 地蔵種子石塔婆 （室町時代前期 応永十八年 1411年、粘板岩、高さ 130Cm 幅 31Cm 厚さ 6Cm) |
石塔婆は、上方に地蔵種子[カ」、その下に仏説延命地蔵菩薩経（偽経）に出る偈（げ）、下方は五七日忌の造立趣旨と紀年銘を刻む。
身部 上方
五七日（三十五日）忌の本尊 地蔵菩薩の種子「カ」を薬研彫する。
仏説延命地蔵菩薩経（偽経）に出る偈（げ）
（ 偽経（ぎきょう）：中国や朝鮮・日本でつくられた経。サンスクリット本その他から翻訳された経を真教・正経と呼ぶ。）
偈（げ）：「若有重苦（にゃくうじゅうく）、我代受苦、若不尓者、不取正覚」
［ 若し重き苦しみあれば、我れ代りて苦を受けよう。そうでなければ、決して悟りを開きません。]
身部 下方、刻銘
刻銘は、中央に「右志趣者為 應永十八年（1411）三月廿九日、施主、敬白」、
左右に「妙善大姉五七日忌之辰、乃至法界平等利益故也」と刻む。
室町時代前期 応永十八年（1411）三月二十九日、妙善大姉 五七日（三十五日）忌碑として造立された。
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| 刻銘：「應永十八年（1411）」 | 刻銘：「妙善大姉五七日忌」 |
山口家（やまぐちけ）石塔婆群 (部分）
中央に、応永十八年（1411）銘 地蔵種子石塔婆。
山口家（やまぐちけ）石塔婆群 （宮城県石巻市東福田字馬場）
一周忌に造立された石塔婆で、その本尊 勢至種子と雪山偈（無常偈）を刻んでいる。室町時代前期 応永二十二年（1415）の在銘。
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| 山口家 勢至種子石塔婆（室町時代前期 応永二十二年 1415年、粘板岩、高さ 96Cm 幅 40Cm 厚さ 3Cm) |
頂部の一部を欠損する。身部は上方に勢至種子、その下に涅槃経に出る偈（げ）、下方は一周忌の造立趣旨と紀年銘を刻む。
身部 上方
一周忌の本尊 勢至菩薩の種子「サク」を薬研彫する。
涅槃経に出る偈（げ）（雪山偈）
偈（げ）：「諸行無常（しょぎょうむじょう）、是生滅法（ぜしょうめっぽう）、生滅々已（しょうめつめつい）、寂滅為楽（じゃくめついらく）」
［ 諸行は無常である。これ生滅の法である。生滅を滅しおわりて、生も滅もない寂滅を楽しみとする。］
身部 下方、刻銘
刻銘は、中央に「右志為趣者 應永廿二天（1415）初秋（七月）念五日（二十五日）、孝子、敬白」、
左右に「相当昌義禅定門小祥忌（一周忌）果、乃至法界平等利益故也」と刻む。
室町時代前期 応永二十二年（1415）七月二十五日、昌義禅定門 一周忌碑として造立された。
山口家（やまぐちけ）石塔婆群 (部分）
中央は、本 応永二十二年（1415）銘 勢至種子石塔婆。
山口家（やまぐちけ）石塔婆群 (部分）
＊JR石巻駅からミヤコ―バス石巻専修大学線 飯野川行きに乗車、福田バス停下車、南東方向へ徒歩 約1.2Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。
（撮影：平成26年4月12日）
