山口家（やまぐちけ）石塔婆群 （宮城県石巻市東福田字馬場）
百ヶ日忌に造立された石塔婆で、その本尊 観音種子及び法華経比喩品に出る偈（げ）を刻んでいる。室町時代前期 応永十六年（1409）の在銘。
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| 山口家 観音種子石塔婆 （室町時代前期 応永十六年 1409年、粘板岩、高さ 140Cm 幅 37Cm 厚さ 7Cm) |
石塔婆は、上方に観音種子[サ」、その下に法華経比喩品に出る偈（げ）、下方は百ヶ日忌の造立趣旨と紀年銘を刻む。
身部 上方
百ヶ日忌の本尊 観音菩薩の種子「サ」を薬研彫する。
法華経 譬喩品に出る偈（げ）
偈（げ）：「今此三界（こんしさんがい）、皆是我有（かいぜがう）、其中衆生（ごちゅうしゅじょう）、悉是吾子（しつぜごし）」
［ 今、この三界（欲界・色界・無色界）はみなこれ我が有するところ、その中の衆生はことごとく我が子なり ］
身部 下方、刻銘
刻銘は、向かって右から「右志趣者為沙弥真宗一百ケ日之、然則乗功徳力出生生死流操般若、
舟出波口岸普導世間同、登覚路耳 應永十六年（1409）仲春（二月）中旬」と刻む。
室町時代前期 応永十六年（1409）二月中旬、沙弥真宗 百ケ日忌の碑として造立された。
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| 刻銘：「應永十六年（1409）仲春（二月）」 | 刻銘：「沙弥真宗一百ケ日」 |
山口家（やまぐちけ）石塔婆群 （宮城県石巻市東福田字馬場）
欠損部があるが、地蔵種子及び仏説延命地蔵菩薩経に出る偈（げ）を刻んでいる。室町時代前期 応永十六年（1409）の在銘。
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| 山口家 地蔵種子石塔婆（室町時代前期 応永十六年 1409年、粘板岩、高さ 118Cm 幅 34Cm 厚さ 7Cm) |
頂部と向かって右側 約三分の一を欠損する。身部は上方に地蔵種子、その下に仏説延命地蔵菩薩経に出る偈、下方は造立趣旨と紀年銘を刻む。
身部 上方
地蔵菩薩の種子「カ」を月輪内に薬研彫する。
地蔵種子は、三十五(五七日）忌の本尊のため、三十五日忌に造立されたと思われる。
仏説延命地蔵菩薩経（偽経）に出る偈（げ）
（ 偽経（ぎきょう）：中国や朝鮮・日本でつくられた経。サンスクリット本その他から翻訳された経を真教・正経と呼ぶ。）
偈（げ）：「若有重苦（にゃくうじゅうく）、我代受苦、若不尓者、不取正覚」
［ 若し重き苦しみあれば、我れ代りて苦を受けよう。そうでなければ、決して悟りを開きません。]
身部 下方、刻銘
刻銘は、中央に「右志趣者為 應永十六年（1409）十一月日、施主、敬白」、
向かって右側は欠損、左は「・・法界平等利益故也」と刻む。
刻銘：「應永十六年（1409）十一月日」
山口家（やまぐちけ）石塔婆群 (部分）
中央は、応永十六年（1407）銘 観音種子石塔婆。
＊JR石巻駅からミヤコ―バス石巻専修大学線 飯野川行きに乗車、福田バス停下車、南東方向へ徒歩 約1.2Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。
（撮影：平成26年4月12日）
