山口家(やまぐちけ)石塔婆群 (宮城県石巻市東福田字馬場)
阿弥陀種子「キリーク」を主尊とする石塔婆で、室町時代前期 永享五年(1433)の紀年銘がある。
山口家 阿弥陀種子石塔婆 (室町時代前期 永享五年 1433年、粘板岩、高さ 90Cm 幅 29Cm 厚さ 6Cm) |
石塔婆は、上方に阿弥陀種子、その下に金剛般若経に出る偈(げ)、下方は法華経薬草喩品に出る偈(げ)と紀年銘を刻む。
刻銘は上に、二行「應無所住、而生其心」の金剛般若経に出る偈、下方は、左右に「永享五年(1433)、二月廿七日」
の紀年銘、中央に「右志者 現世安穏 後生善処 故也」の法華経薬草喩品に出る偈を刻み、願文とする。
身部 上方
阿弥陀如来の種子「キリーク」を薬研彫する。
金剛般若経に出る偈(げ)
偈(げ):「應無所住(おうむしょじゅう)」、「而生其心(にしょうごしん)」
[ まさに住するところなくして、その心を生ずべし ] (何物にも執着しとどまる心を去って、無住の清浄心を生ずる)
法華経薬草喩品に出る偈(げ)
偈(げ):「現世安穏(げんぜあんのん)、後生善処(ごしょうぜんしょ)」
[ 現世は安穏にして、後には弥陀の浄土に生ぜんことを ]
山口家(やまぐちけ)石塔婆群 (宮城県石巻市東福田字馬場)
胎蔵界大日種子「ア」を主尊とする石塔婆で、室町時代前期 宝徳二年(1450)の紀年銘がある。
山口家(やまぐちけ)胎蔵界大日種子石塔婆 (室町時代前期 宝徳二年 1450年、粘板岩) |
石塔婆は、上方に胎蔵界大日種子「ア」、その下に金剛般若経に出る偈(げ)、下方は造立趣旨と紀年銘を刻む。
身部 上方
胎蔵界大日如来の種子「ア」を薬研彫する。
金剛般若経に出る偈(げ)
偈(げ):「應無所住(おうむしょじゅう)」、「而生其心(にしょうごしん)」
[ まさに住するところなくして、その心を生ずべし ] (何物にも執着しとどまる心を去って、無住の清浄心を生ずる)
身部 下方、刻銘
下方、向かって右側に「宝徳二年(1450)・・・」の紀年銘がある。
刻銘:「宝徳二年(1450)」
山口家(やまぐちけ)石塔婆群 (宮城県石巻市東福田字馬場)
七年忌に造立された石塔婆で種子部を欠損する。室町時代中期 長禄四年(1460)の在銘。
山口家(やまぐちけ)石塔婆 (室町時代中期 長禄四年 1460年、粘板岩、高さ 85Cm 幅 27Cm 厚さ 7Cm) |
石塔婆は、上方の種子部を欠損する。刻銘部が残り妙久禅尼七年忌の造立趣旨と紀年銘を刻む。
十三仏忌日供養では、七年忌の本尊は阿閦如来(ウーン)になる。
山口家(やまぐちけ)福寿元年(私年号)石塔婆 石仏と石塔-目次!
身部 下方、刻銘
刻銘は中央に「長禄二二(四)天(1460)三月日」、左右に「妙久禅尼、七年之為」と刻む。
室町時代中期 長禄四年(1460)三月、妙久禅尼 七年忌碑として造立された。
*JR石巻駅からミヤコ―バス石巻専修大学線 飯野川行きに乗車、福田バス停下車、南東方向へ徒歩 約1.2Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。
(撮影:平成26年4月12日)