山口家(やまぐちけ)石塔婆群 (宮城県石巻市東福田字馬場)
十三年忌に造立された石塔婆で、虚空蔵種子「タラーク」を主尊としている。室町時代前期 永享三年(1431)の在銘。
山口家 虚空蔵種子石塔婆 (室町時代前期 永享三年 1431年、粘板岩、高さ 96Cm 幅 30Cm 厚さ 8Cm) |
石塔婆は、上方に虚空蔵種子、その下に金剛般若経に出る偈(げ)、下方は十三年忌の造立趣旨と紀年銘を刻む。
身部 上方
虚空蔵菩薩の種子「タラーク」を薬研彫する。
身部 下方、刻銘 | 刻銘:「永享三年(1431)三月」 |
刻銘は上から、左右に「應無所住、而生其心」の金剛般若経に出る偈(げ)、その下 左右に「大日如来、三摩耶形」、
下方、中央に「永享三年(1431)三月廿八日、孝子、敬白」、左右に「右志者為 道口禅門十三年、乃至法界平等利益故也」と刻む。
室町時代前期 永享三年(1431)三月二十八日、道口禅門 十三年忌碑として造立された。
金剛般若経に出る偈(げ)
偈(げ):「應無所住(おうむしょじゅう)」、「而生其心(にしょうごしん)」
[ まさに住するところなくして、その心を生ずべし ] (何物にも執着しとどまる心を去って、無住の清浄心を生ずる)
大日如来、三摩耶形
本石塔は、大日如如来の三摩耶形(シンボル)。
山口家(やまぐちけ)石塔婆群 (宮城県石巻市東福田字馬場)
三十三年忌に造立された石塔婆で、その本尊 虚空蔵菩薩の種子「タラーク」を刻んでいる。室町時代前期 永享三年(1431)の在銘。
山口家 虚空蔵種子石塔婆(室町時代前期 永享三年 1431年、粘板岩、高さ 104Cm 幅 36Cm 厚さ 3Cm) |
石塔婆は、上方に虚空蔵種子「タラーク」、その下に法華経 方便品に出る偈(げ)、下方は三十三年忌の造立趣旨と紀年銘を刻む。
身部 上方
三十三年忌の本尊 虚空蔵菩薩の種子「タラーク」を月輪内に刻む。
法華経 方便品に出る偈(げ)
偈(げ):「十方仏土中(じっぽうぶつどちゅう)、唯有一乗法(ゆいういちじょうほう)、無二亦無三(むにやくむさん)、除仏方便説(じょぶつほうべんせつ)」
[ 十方の仏土の中には、ただ一乗の法のみあり、二もなく三もなし、仏の方便の説を除く ]
身部 下方、刻銘
刻銘は、上方に四行「十方仏土中、唯有一乗法、無二亦無三、除仏方便説」の法華経 方便品に出る偈(げ)、
下方、中央に「永享三年(1431)十二月五日、孝子、敬白」、
左右に「右志者為 聖妙禅尼三十三年忌辰、乃至法界衆生平等利益故也」と刻む。
室町時代前期 永享三年(1431)十二月五日、聖妙禅尼 三十三年忌碑として造立された。
刻銘:「永享三年(1431)十二月」
山口家(やまぐちけ)石塔婆群 (部分)
中央は、虚空蔵種子石塔婆(永享三年十二月五日銘)。
*JR石巻駅からミヤコ―バス石巻専修大学線 飯野川行きに乗車、福田バス停下車、南東方向へ徒歩 約1.2Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。
(撮影:平成26年4月12日)