鳥屋(とや)神社 阿弥陀三尊種子石塔婆

 鳥屋神社(とやじんじゃ)(宮城県石巻市旭町)

   阿弥陀三尊種子を刻む当地の初期石塔婆で、鎌倉時代中期 弘安元年(1278)の紀年銘がある。

鳥屋神社 阿弥陀三尊種子石塔婆(鎌倉時代中期 弘安元年 1278年、粘板岩、高さ 170Cm 幅 60Cm 厚さ 15Cm)
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境内に立つ石塔婆中、最大最古。身部は、上方に阿弥陀三尊種子、その下に銘文(不明)、下方に願文と紀年銘を刻む。

阿弥陀三尊、中尊の阿弥陀種子

阿弥陀種子「キリーク」を月輪内に、さらに一重の枠線を巻いている。

阿弥陀三尊、脇侍の観音・勢至種子

向って右 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を月輪内に、さらに一重の枠線を巻く。

但し、上辺の枠線は、中尊の阿弥陀種子と共有する。

身部上方、阿弥陀三尊の種子 刻銘:「弘安元(1278)、大才、戊・・」

三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を月輪内に刻む。

三尊種子の下

枠線内に、八行の銘文らしきものが刻まれているが不明。

石塔婆、最下部

枠線内、向って右側に「右志者過去悲母」、中央に「弘安元(1278)、大才、戊・・・・・・」と刻む。

[ 亡き母の追善供養碑として、弘安元年(1278)に造立された。]

鳥屋(とや)神社 阿弥陀三尊種子石塔婆 (鎌倉時代中期 弘安元年 1278年)

近世の庚申塔に挟まれて立っている。向って右端は、徳治三年(1308)銘 釈迦種子石塔婆。

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鳥屋神社 (とやじんじゃ)

石鳥居の内側は、旭町 恒心会 会館。

 板碑(いたび)

*JR石巻線・仙石線 「石巻駅」下車、北東方向へ 約600m。

(撮影:平成26年4月12日)