寺崎(てらさき)六字名号石塔婆

 寺崎(てらさき)石塔婆群 (宮城県石巻市大瓜字寺崎)

   寺崎石塔婆群に一基だけある名号石塔婆で、南北朝時代中期 応安三年(1370)の紀年銘がある。

寺崎(てらさき)六字名号石塔婆 (南北朝時代中期 応安三年 1370年、粘板岩、高さ 102Cm 幅 47Cm 厚さ 8Cm)

寺崎石塔婆群に一基だけある名号碑。碑面は、中央に「南無阿弥陀佛」の名号、下方の左右に造立趣旨と紀年銘を刻む。

石塔婆 下方、刻銘

下方の刻銘は向って右に「住一十三年」、左に「應安三年(1370)二月一日、敬白」

「住一」十三年忌の為、南北朝時代中期 応安三年(1370)二月一日に本碑を造立した。

刻銘:「應安三年(1370)二月一日 刻銘:「住一十三年」

寺崎(てらさき)三尊種子石塔婆

 寺崎(てらさき)石塔婆群 (宮城県石巻市大瓜字寺崎)

   阿閦種子「ウーン」を中尊とする三尊を刻んだ石塔婆で、南北朝時代後期 至徳二年(1385)の紀年銘がある。

 寺崎 三尊種子石塔婆 (南北朝時代後期 至徳二年 1385年、粘板岩、高さ 120Cm 幅 40Cm 厚さ 10Cm) 
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身部上方、大月輪内に阿閦を中尊とする三尊種子、その下に薬師経 第七願の偈(げ)、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。

身部上方、三尊種子

三尊種子は、大月輪の中央に大きく阿閦如来の種子「ウーン」

その向って右に金剛護菩薩の種子「カン」、左に不動明王の種子「カーン」を刻む。珍しい配置の三尊。

薬師経 第七願 の偈(げ)

偈(げ):「我之名号(がしみょうごう)、一経其耳(いっきょうごに)、衆病悉除(しゅびょうしつじょ)、心身安楽(しんじんあんらく)

[ わが薬師如来の名号が、一たびその耳に経たなれば、諸病ことごとく除かれ、心身安楽なり。 ]

石塔婆 下方、刻銘

刻銘は中央に右志趣者 至徳二年(1385)八月口、孝、口」

その両側に「相当過去妙心禅門忌辰、乃至法界平等利益故也」と刻む。

「妙心禅門」追善供養の為、南北朝時代後期 至徳二年(1385)八月に本碑を造立した。

薬師経の偈(げ)や三尊の組合わせ等、珍しい石塔婆 刻銘:「至徳二年(1385)八月

※ 寺崎石塔婆群(てらさきいしとうばぐん) 時代順一覧

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寺崎(てらさき)石塔婆群

写真、中央が本三尊種子石塔婆。

 板碑(いたび)

*JR石巻駅から北東方向へ 約3.7Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。住所でいえば、石巻市大瓜字寺崎90くらいの所で、道路沿いに立っている。当地域は、地元住民を対象にした乗合タクシーがあるだけで、バスの便はない。

(撮影:平成26年4月12日)