寺崎(てらさき)三尊種子石塔婆

 寺崎(てらさき)石塔婆群 (宮城県石巻市大瓜字寺崎)

   寺崎石塔婆群 約三十二基の中で最も古い鎌倉時代後期 延慶二年(1309)の紀年銘を持つ石塔婆。

寺崎 阿弥陀三尊種子石塔婆 (鎌倉時代後期 延慶二年 1309年、粘板岩、高さ 170Cm 幅 50Cm 厚さ 15Cm)
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石塔婆は、上方に阿弥陀を中尊とし地蔵を両脇侍とする三尊種子、その下に阿弥陀と大日の名号、下方に願文と紀年銘を刻む。

石塔婆 上部、三尊種子

上方に大きく阿弥陀種子「キリーク」、その下 両脇侍に地蔵種子「カ」を刻む。

両脇侍に地蔵種子を刻む、珍しい組合わせの三尊となっている。

石塔婆 下方、刻銘 (全文) 刻銘:「南無阿弥陀仏」、「南無大日如来」

刻銘は三尊種子の下に「南無阿弥陀仏」、「南無大日如来」の名号、

その下 中央に「延慶二年(1309)十月十一日」の紀年銘、その両側に「右志者為過去」、「往生極楽・・・」と刻む。

石塔婆 下方、刻銘

刻銘:「延慶二年(1309)十月十一日」、「右志者為過去」、「往生極楽・・・」

刻銘:延慶二年(1309)十月」 阿弥陀三尊種子の下、阿弥陀と大日の名号を刻んでいる。

寺崎(てらさき)阿閦種子石塔婆

 寺崎(てらさき)石塔婆群 (宮城県石巻市大瓜字寺崎)

   阿閦種子を主尊とする石塔婆で、種子の彫りが深くて美しい。南北朝初期 建武年間(1334~38)の紀年銘がある。

寺崎 阿閦種子石塔婆 (南北朝時代前期 建武年間 1334~38年、粘板岩、高さ 122Cm 幅 38Cm 厚さ 14Cm)
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石塔婆は、向って左側を損傷する。身部は、上方に阿閦(あしゅく)如来の種子「ウーン」、下方に「建武(1334~38)」年号を刻む。

石塔婆 下方、刻銘

刻銘:「建武(1334~38)

※ 寺崎石塔婆群(てらさきいしとうばぐん) 時代順一覧

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寺崎(てらさき)石塔婆群

中世の石塔婆が約32基、あと近世の石塔婆が立っている。

 板碑(いたび)

*JR石巻駅から北東方向へ 約3.7Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。住所でいえば、石巻市大瓜字寺崎90くらいの所で、道路沿いに立っている。当地域は、地元住民を対象にした乗合タクシーがあるだけで、バスの便はない。

(撮影:平成26年4月12日)