高木(たかぎ)観音堂勢至種子石塔婆

 高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)

   一周忌に造立された石塔婆で、その本尊 勢至種子を刻む。室町時代中期 文明十三年(1481)の在銘。

高木(たかぎ)観音堂 勢至種子石塔婆 (室町時代中期 文明十三年 1481年、高さ 70Cm 幅 26Cm 厚さ 8Cm)

石塔婆は前から二列目に立つ。身部は、上方に勢至菩種子「サク」、その下に梵字光明真言、下方は造立趣旨と紀年銘を刻む。

身部 上方

一周忌の本尊 勢至菩薩の種子「サク」を薬研彫する。

光明真言 (梵字)

勢至種子の下に四行で刻まれている。

光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ」、「シャナ、マ、カーボ、ダラ」、「マ、ニ、ハンドマ、ジンバ、ラ」、「ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン、ダ」

石塔婆の刻銘

刻銘は、向って右に「妙鑒禅尼一周忌」、左に「文明十三年(1481)十月六日」と刻む。

妙鑒禅尼一周忌の石塔婆で、室町時代中期 文明十三年(1481)十月六日に造立された。

刻銘:文明十三年(1481)十月六日」 刻銘:妙鑒禅尼一周忌」

高木(たかぎ)観音堂阿閦種子石塔婆

 高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)

   阿閦(あしゅく)種子「ウーン」を主尊とする石塔婆で、本石塔婆群で一番新しい室町時代中期 長享二年(1488)の紀年銘がある。

高木観音堂 阿閦(あしゅく)種子石塔婆(室町時代中期 長享二年 1488年、粘板岩、高さ 45Cm 幅 10Cm 厚さ 9Cm)

最前列に立つ。身部は、上方に阿閦(あしゅく)種子「ウーン」、下方は法名と紀年銘を刻む。

阿閦(あしゅく)如来の種子「ウーン」 刻銘:妙清・・・、時 長享二(1488)八月・・

阿閦(あしゅく)如来の種子「ウーン」は、七回忌の本尊。

高木(たかぎ)観音堂金剛界大日種子石塔婆

 高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)

   七回忌の追善碑として造立された。紀年銘はあるが、不明。

高木観音堂 金剛界大日種子石塔婆(紀年銘不明、粘板岩、高さ 82Cm 幅 38Cm 厚さ 6Cm)

前から三列目に立つ。身部は、上方に金剛界大日種子「バン」、下方は造立趣旨と紀年銘を刻む。

身部 上方

本碑は七回忌に造立されたものだが、金剛界大日如来の種子「バン」を薬研彫する。

忌日(年)供養が十三仏として定型化する前は、七年・十三年・三十三年忌の最後三仏を金胎大日にしている例が多い。

石塔婆の刻銘

刻銘は、中央に「右志者為 口口二年五月」左右に「過去口口禅門七年忌」「乃至法界平等・・・・」と刻む。

※ 高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 一覧

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高木観音堂(かんのんどう)石塔婆群

本石塔婆群は、鎌倉時代後期 永仁四年(1296)から室町時代中期 長享二年(1488)まで、約200年に亘る約90基の石塔婆が立っている。

 板碑(いたび)

*JR石巻駅から北東方向へ 約7.7Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。

(撮影:平成26年4月13日)