高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)
七年忌供養に造立された石塔婆で、金剛界大日種子「バーンク」を刻む。室町時代中期 文明五年(1473)の在銘。
高木観音堂 金剛界大日種子石塔婆 (室町時代中期 文明五年 1473年、高さ 94Cm 幅 45Cm 厚さ 6Cm)
前から四列目に立つ。身部は、上方に金剛界大日種子「バーンク」、下方は金剛般若経に出る偈(げ)を七年忌の願文に入れ、末尾に紀年銘を刻む。
身部 上方
七年忌の本尊として金剛界大日如来の種子「バーンク」を薬研彫する。
忌日(年)供養が十三仏として定型化する前は、七年・十三年・三十三年忌の最後三仏を金胎大日にしている例が多い。
石塔婆の刻銘(全文)
刻銘は四行で、向って右から「右似伏用宗大禅定尼」、「是法平等 無有高下」、
「乃至法界平等利益」、「相当七年 干時 文明五年(1473)、癸巳、卯月廿日、敬白と刻む。
是法平等 → | 無有高下 |
金剛般若経に出る偈(げ)
偈(げ):「是法平等(ぜほうびょうどう)」、「無有高下(むうこうげ)」
[ この法は平等にして、高下あることなし。 ] (法のもとに如来も衆生もない。)
刻銘:「文明五年(1473)、癸巳、卯月」 | 刻銘:「相当七年」 |
高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)
妙性禅門三十三回忌に造立された石塔婆で、その本尊 虚空蔵種子を刻む。室町時代前期 文安四年(1447)の在銘。
高木観音堂 虚空蔵種子石塔婆(室町時代前期 文安四年 1447年、粘板岩、高さ 86Cm 幅 27Cm 厚さ 10Cm)
石塔婆は前から四列目に立つ。身部は、上方に虚空蔵菩薩の種子「タラーク」、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。 |
身部 上方
三十三年忌の本尊 虚空蔵菩薩の種子「タラーク」を薬研彫する。
石塔婆の刻銘(全文)
刻銘は中央に「右志者 文安四年(1447)七月廿八日、孝子、敬白」、
下方の左右に「過去妙性禅門三十三年之忌」、「乃至法界平等利益也」と刻む。
妙性禅門の三十三回忌追善石塔婆で、室町時代前期 文安四年(1447)七月二十八日に造立された。
刻銘:「文安四年(1447)七月」 | 刻銘:「妙性禅門三十三年之忌」 |
高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)
上半部を欠失する断碑で、亡き母の追善碑。室町時代中期 寛正二年(1461)の紀年銘がある。
高木観音堂 石塔婆(断碑) (室町時代中期 寛正二年 1461年、粘板岩、高さ 30Cm 幅 22Cm 厚さ 5Cm)
前から一列目に立つ。石塔婆は、上方の種子部を欠失する。下方の刻銘部が残り、造立趣旨と紀年銘を刻む。
刻銘は、中央に「為 寛正二年(1461)七月」、左右に「悲母幽霊」、「頓證大菩提」と刻む。
亡き母の追善碑で、室町時代中期 寛正二年(1461)に造立された。
刻銘:「寛正二年(1461)七月」
*JR石巻駅から北東方向へ 約7.7Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。
(撮影:平成26年4月13日)