高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)
一周忌に造立された石塔婆で、その本尊 勢至種子を刻む。室町時代前期 永享年間(1429~41)の在銘。
高木観音堂 勢至種子石塔婆 (室町時代前期 永享年間 1429~41年、高さ 80Cm 幅 31Cm 厚さ 10Cm) |
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前から三列目に立つ。身部は、上方に勢至種子「サク」、その下に円覚経に出る偈(げ)、下方は造立趣旨と紀年銘を刻む。 |
身部 上方
一周忌の本尊 勢至菩薩の種子「バク」を薬研彫する。
円覚経に出る偈(げ)
偈(げ):「始知衆生(しちしゅじょう)本来成仏(ほんらいじょうぶつ)、生死涅槃(しょうじねはん)猶如作夢(ゆにょさむ)」
[ 初めて知る。衆生は本来成仏することを。生死・涅槃は、なお昨日の夢の如し。]
石塔婆の刻銘(全文)
刻銘は、中央に「右志趣者 永享第・・・、孝子、敬口」、
向って右に「妙春禅尼小祥忌(一周忌)」、左に「乃至法界平等利益」と刻む。
妙春禅尼 一周忌に造立された石塔婆で、室町時代前期 永享年間(1429~41)に造立された。
刻銘:「永享第・・・(1429~41)、孝子、敬口」
高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)
金剛般若経の出る偈(げ)を刻む石塔婆で、種子は不明。室町時代前期 応永廿年代(1413~22)の紀年銘がある。
高木観音堂 一尊種子石塔婆(室町時代前期 応永廿年間 1413~1422年、粘板岩、高さ 44Cm 幅 16Cm 厚さ 5Cm) |
石塔婆は前から一列目に立つ。身部は、上方に一尊種子、その下に金剛般若経に出る偈(げ)、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。
身部 上方
種子「ア」の向って左側部分にアー点(修行点)とアク点(涅槃点)がつく。「石巻の歴史第八巻」では、「アク(不空成就)」と読んでいる。
修行点がつく種子「アーク」の「方便究竟」(種子抄)の部分を抜いた形。
金剛般若経に出る偈(げ)
偈(げ):「應無所住(おうむしょじゅう)」、「而生其心(にしょうごしん)」
[ まさに住するところなくして、その心を生ずべし ] (何物にも執着しとどまる心を去って、無住の清浄心を生ずる)
石塔婆の刻銘(全文)
上方の左右に「應無所住、而生其心」、中央に「右志者為 應永廿・・(1413~22)」、
下方の左右に「妙春禅門」、「乃至法界平・・・・」と刻む。
刻銘:「應永廿・・(1413~22)」、
高木観音堂(たかぎかんのんどう)石塔婆群 (宮城県石巻市高木字竹下)
道法禅門一周忌に造立された石塔婆で、その本尊 勢至種子を刻む。室町時代前期 永享三年(1431)の在銘。
高木観音堂 勢至種子石塔婆(室町時代前期 永享三年 1431年、粘板岩、高さ 77Cm 幅 26Cm 厚さ 6Cm)
石塔婆は前から三列目に立つ。身部は、上方に勢至種子、その下に金剛般若経に出る偈(げ)、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。
身部 上方
一周忌の本尊 勢至菩薩の種子「サク」を薬研彫する。
本碑の種子「サク」は、変形で涅槃点(アク点)が上下に移動している。
金剛般若経に出る偈(げ)
偈(げ):「應無所住(おうむしょじゅう)」、「而生其心(にしょうごしん)」
[ まさに住するところなくして、その心を生ずべし ] (何物にも執着しとどまる心を去って、無住の清浄心を生ずる)
石塔婆、下方の刻銘
刻銘は、中央に「右志趣者 永享第三(1431)月日、孝子、敬白」、
向って右に「道法禅門小祥忌(一周忌)」、左に「乃至法界平等普口」と刻む。
道法禅門 一周忌に造立された石塔婆で、室町時代前期 永享三年(1431)に造立された。
高木(たかぎ)観音堂 金剛界大日種子石塔婆 石仏と石塔-目次!
刻銘:「永享第三(1431)月日、孝子、敬白」 | 刻銘:「道法禅門小祥忌(一周忌)」 |
*JR石巻駅から北東方向へ 約7.7Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。
(撮影:平成26年4月13日)