松厳寺(しょうがんじ)無量寿種子石塔婆

 松厳寺(しょうがんじ)(宮城県石巻市湊町3-1-10)

  亡き母の「三回忌」(本地仏:阿弥陀)に造立された石塔婆で、無量寿(阿弥陀)種子を本尊にする。南北朝時代前期 延元五年(1340)の在銘。

松厳寺 無量寿種子石塔婆 (南北朝時代前期 延元五年 1340年、粘板岩、高さ 162Cm 幅 69Cm 厚さ 14Cm

頭部は、山形風。身部は、上方 無量寿(阿弥陀)種子「アン」、下方に亡き母三回忌供養の願文と紀年銘を刻む。

石塔婆 上部

無量寿如来(阿弥陀)の種子「アン」を刻む。願文に刻む三回忌本尊は阿弥陀。

石塔婆、下方の刻銘 (全文)

刻銘は、中央に南朝年号「延元五年(1340)六月九日、 敬白」、

左右に「右相当先妣幽霊第三、年忌辰一口口造立也と刻む。

石塔婆、下方 刻銘:「延元五年(1340)六月」

尚、延元五年(1340)は四月二十七日迄で、刻銘の六月九日は改元され「興国元年」となっている。

松厳寺(しょうがんじ)阿弥陀種子石塔婆

 松厳寺(しょうがんじ)(宮城県石巻市湊町3-1-10)

  金剛般若経に出る偈(げ)を刻むところから禅宗の碑と思われる。室町時代前期 応永二年(1395)の紀年銘がある。

松厳寺 阿弥陀種子石塔婆 (室町時代前期 応永二年 1395年、粘板岩、高さ 72Cm 幅 23Cm

頭部はアーチ型。身部は、上方に阿弥陀の種子「キリーク」、その下に「金剛般若経」に出る偈(げ)、下方に願文と紀年銘を刻む。

下方の刻銘は、中央に「応永二年(1395)、乙亥、十月」、左右に「右為・・・・、卅三年忌辰乃至法界・・・」と刻む。

金剛般若経に出る偈(げ):「応無所住(おうむしょじゅう)」「而生其心(にしょうごしん)

[ まさに住するところなくして、その心を生ずべし ] (何物にも執着しとどまる心を去って、無住の清浄心を生ずる)

参道沿いに安置されている石塔婆

中世のものは上記二基、あとは近世の石塔婆

  一皇子宮(いちおうじぐう)阿弥陀種子石塔婆                  石仏と石塔-目次!

松厳寺(しょうがんじ)本堂(曹洞宗)

禅宗の寺院らしく、両サイドに花頭窓がある。

 板碑(いたび)

*JR石巻線・仙石線 「石巻駅」下車、南東方向へ徒歩 約2.2Km。

(撮影:平成26年4月10日)