水貫山(みずぬきやま)三尊種子石塔婆

 水貫山(みずぬきやま)(宮城県石巻市南境字水貫山)

   折損し二片になり、並立する。地元では「長石さま」と呼ばれている石塔婆で、南北朝時代前期 康永三年(1344)の紀年銘がある。

水貫山 三尊種子石塔婆(折損し二片)(南北朝時代前期 康永三年 1344年、粘板岩、上片高さ 149.5Cm 下片高さ 303Cm)

折損し、二片に分かれる。上片は、阿弥陀・阿閦の種子、折損部上・下に不明の種子、下片は法華経に出る偈と造立趣旨と紀年銘を刻む。
下片 (高さ 303Cm 幅 46Cm 厚さ 17.5Cm) 上片 (高さ 149.5Cm 幅 30.5Cm 厚さ 11Cm)

石塔婆 上部 (上片)

上から阿弥陀如来の種子「キリーク」、その下に阿閦如来の種子「ウーン」、さらに折損部を挟んで尊名不明(損傷)の種子が刻まれている。

法華経 方便品の偈(げ)

[ 偈(げ)は二行で、各二句 刻まれている。刻銘は、全体に彫りが浅い。]

偈(げ):「諸法従本来(しょほうじゅうほんらい)常自寂滅相(じょうじじゃくめつそう)」、「仏子行道已(ぶっしぎょうどうい) 来世得作仏(らいせいとくさぶつ

[ 諸法はもとよりこのかた、常に自ら寂滅の相なり、仏子(仏弟子)は道を行じ終われば、来世に仏となることを得ん。 ]

石塔婆、刻銘(全文) 刻銘:康永三年(1344)

刻銘は、中央に「康永三年(1344)甲申八月時正敬白」の紀年銘、

その両側に各一行「右志者相当乗成七ヶ廻」、「乃至法界平等利益故也」と刻んでいる。

*JR 石巻駅駅前からミヤコーバス 石巻専修大学線に乗車、「総合運動公園(石巻)バス停」下車、東方向へ 約1Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。

(撮影:平成26年4月12日)

雪峰庵入口 阿弥陀種子石塔婆

 雪峰庵入口 阿弥陀種子石塔婆 (宮城県石巻市大瓜字内亀山)

   阿弥陀種子を刻む石塔婆で、三回忌供養として造立された。室町時代中期 明応三年(1494)の紀年銘がある。

水貫山入口 阿弥陀種子石塔婆 (室町時代中期 明応三年 1494年、粘板岩、高さ 87Cm 幅 30Cm 厚さ 12Cm)

石塔婆は、上方に阿弥陀種子「キリーク」、その下に観世音菩薩往生浄土本縁経に出る偈(げ)、下方に造立趣旨と紀年銘を刻む。

石塔婆 上部

三回忌の本尊 阿弥陀如来の種子「キリーク」を刻む。

観世音菩薩往生浄土本縁経に出る偈(げ)

[ 偈(げ)は、最初の二句が刻まれ、次の二句が省略されている。]

偈(げ):「一念弥陀仏(いちねんみだぶつ)、即滅無量罪(そくめつむりょうざい)

[ 一たび阿弥陀仏を念ずれば、ただちに無量の罪を滅ぼす。]

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石塔婆、刻銘(全文) 刻銘:明應三年(1494)二月十六日

刻銘は偈(げ)の下、中央に「妙昇大姉」、その両側に「第三年忌」、「明應三年(1494)二月十六日」と刻む。

室町時代中期の明応三年(1494)二月十六日、妙昇大姉の三回忌に造立された。

 板碑(いたび)

*水貫山石塔婆から東南東方向へ 約1.2Km。石巻駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。

(撮影:平成26年4月12日)