八幡(はちまん)神社 一尊種子石塔婆

 八幡神社(はちまんじんじゃ)(宮城県石巻市南境字妙見8)

   一結衆 百二十人により造立された石塔婆で、鎌倉時代後期 元応元年(1319)の紀年銘がある。

八幡神社 一尊種子石塔婆 (鎌倉時代後期 元応元年 1319年、粘板岩、高さ 230Cm 幅 89.5Cm 厚さ 12.5Cm)

頭部、山形風。舟形の一重線で周縁を巻き、上方に大きく種子を配す。下方は、六行の造立趣旨と紀年銘を刻む。

石塔婆、頭部

頭部は、山形風。身部は、舟形の輪郭を巻く。

石塔婆、上部

大きく種子(尊名不明)を刻み、下方を線刻の蓮座と散蓮華で荘厳する。

種子は、「コウ(鳩摩利)」(「種子抄:望月有善 編)に似ている。

石塔婆、下部

六行の刻銘があり、向って右から下記の通り記載されている。

刻銘:「右迎毎月十九日修称名札諸、行既及結願之期造立八尺塔、婆顕此作善併先已口滅口生、

無為常住仏国登三身円満果、報乃至帰徳余及口口口口也、元應元年(1319)九月十八日一結百廿人敬白」

一結衆 百二十人が、毎月十九日に称名や諸行を修める。元応元年(1319)九月に結願したので、ここに八尺の塔婆を造立する。

刻銘:「一結百廿人」 刻銘:「元應元年(1319)九月(十八日)」

 八幡神社 勢至種子石塔婆 (宮城県石巻市南境字妙見8)

   勢至菩薩の種子「サク」を主尊とする石塔婆で、紀年銘はない。

八幡神社 勢至種子石塔婆 (紀年銘なし、粘板岩、高さ 84Cm 幅 20Cm 厚さ 7Cm)

石塔婆は、上方に勢至菩薩の種子「サク」、その下に「口徳禅門故口也」と刻んでいる。

上方に勢至菩薩の種子「サク」を薬研彫する。 刻銘:口徳禅門故口也

石塔婆は、一周忌の本尊 勢至菩薩の種子「サク」を刻んでいる所から、「口徳禅門」の追善碑かもしれない。

 八幡神社 金剛界大日種子石塔婆 (宮城県石巻市南境字妙見8)

   金剛界大日如来の種子「バン」を主尊とする石塔婆で、紀年銘は不明。

八幡(はちまん)神社 金剛界大日種子石塔婆 (紀年銘なし、粘板岩、高さ 92Cm 幅 32Cm 厚さ 6Cm)

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八幡神社(はちまんじんじゃ)拝殿

 板碑(いたび)

*JR石巻線・仙石線 「石巻駅」下車、北方向へ 約3.3Km。駅前のレンタカーの店で、自転車を借りるのが便利。

(撮影:平成26年4月12日)