大塩緑ヶ丘 融通念仏名号石塔婆

 大塩緑ヶ丘(おおしおみどりがおか)名号石塔婆(宮城県東松島市大塩緑ヶ丘3-4)

   願文に「融通別時念仏衆」の文字を刻む石塔婆で、鎌倉時代後期 元亨三年(1323)の紀年銘がある。

大塩緑ヶ丘 融通念仏名号石塔婆 (鎌倉時代後期 元亨三年 1323年、粘板岩、高さ 136Cm 幅 69Cm)

三基の石塔婆を安置する堂内向って右側に立つ。身部は、上方に「南無阿弥陀仏」の六字名号、下方に願文・紀年銘を刻む。

願文に「融通別時念仏衆等」の文字があり、融通念仏宗 信徒の造立によるものと思われる。融通念仏宗は、平安時代後期 永久五年(1117)

良忍により開かれ、寿永年間(1182~85)に法統が中絶、元亨年間(1321~24)に第七世 法明良尊により中興された。本石塔婆は元亨三年(1323)

の紀年銘があり、法明により中興された時期にあたる。尚、融通念仏宗は、大阪市平野区の「大念仏寺」を総本山としている。口口口口口口口口・.

板碑 頭部

頭部を欠損する。

身部上方、「南無阿弥陀佛」の六字名号を刻む。 身部下方の刻銘

身部下方の刻銘は、中央に「元亨三秊(1323)、癸亥、十月五日、施主、敬白、向って右に「右志者為融通別時、念仏衆等出離生死」、

左に「頓證菩提乃至法界、衆生平等利益故也」と刻まれている。

身部、下方

紀年銘及び願文が刻まれている。

刻銘:「元亨三秊(1323)、癸亥、十月 刻銘:念仏衆等」 刻銘:「融通別時」

融通念仏宗は、十界一念・自他融通の念仏を行じて浄土往生を期することを宗旨とする。開祖 良人が感得した「一人一切人、一切人一人、一行一切行、

一切行一行、是名他力往生、十界一念、融通念仏、億百万遍、功徳円満」に基づき、自他の念仏が互いに融通すると領解し、日課に口称の念仏を唱える。

大塩緑ヶ丘 胎蔵界大日種子石塔婆

 大塩緑ヶ丘(おおしおみどりがおか)名号石塔婆(宮城県東松島市大塩緑ヶ丘3-4)

   胎蔵界大日種子(五点具足)「アーンク」を主尊石塔婆で、紀年銘は肉眼では不明。

大塩緑ヶ丘 胎蔵界大日(おおしおみどりがおか たいぞうかいだいにち) 種子石塔婆(粘板岩)

身部上方、「胎蔵界大日如来」(五点具足)の種子を刻む。 身部下方、刻銘がある。

胎蔵界大日種子「アーンク」は、発心(命点)・修行・菩提(空点)・涅槃・方便究竟の五点を備える。

  大塩 澗洞院(かんどういん)阿弥陀三尊種子板碑                  石仏と石塔-目次!

堂内、三基の石塔婆を収蔵する。

 板碑(いたび)

*JR仙石線 「矢本駅」下車、北西方向へ 約5.3Km。JR仙石線は、仙台方面からの場合、松島海岸駅から矢本駅迄は、代行バス。

(撮影:平成26年 4月10日)