上比奈知(かみひなち)阿弥陀石仏(三重県名張市上比奈知)
来迎相の阿弥陀立像を刻んだ石仏で、南北朝時代前期 興国二年(1341年、南朝年号)の紀年銘がある。
上比奈知(かみひなち)阿弥陀石仏 (南北朝時代前期 興国二年 1341年、花崗岩、高さ 162Cm 最大幅 74Cm)
上比奈知の共同墓地、瓦葺の覆屋内に安置されている。花崗岩の前面を舟形に彫りくぼめ、来迎相の阿弥陀如来を半肉彫りする。 |
阿弥陀 頭部
お顔は縦長で、扁平な感じがする。
手は来迎印を結び、着衣は両肩を隠して通肩にまとう。衣紋も線刻で巧みに表現されている。南朝年号 興国二年(1341)の在銘石仏。 |
阿弥陀 下部
足がないのかと思うほどで、申し訳程度に彫りくぼめの上に刻まれている。
刻銘:「興国二年(1341)辛巳二月十一日教子」 | 向って右側の刻銘 |
向って右側の刻銘:「奉造立口積二親安楽供養口口以後口口乃至法界平等」
亡き両親の供養の為、南北朝時代前期 興国二年(1341)に本石仏を造立した。
瓦屋根の覆屋内に安置されている。
*近鉄大阪線 名張駅西口から三交バス 敷津行きに乗車、「上比奈知上出バス停」下車、南東方向へ約100mの小墓地。
(撮影:平成25年9月27日)