石山観音(いしやまかんのん)・阿弥陀磨崖仏

 石山観音(いしやまかんのん)(三重県津市芸濃町楠原)

  丘陵に広がる安山岩の岩層に古く阿弥陀や地蔵の磨崖仏が彫られ、後世に西国三十三ヶ所の観音が彫られた

磨崖 阿弥陀如来立像(県指定文化財、鎌倉時代中期、安山岩、像高 352Cm)

二重円光背を深く彫りくぼめ、蓮華座上で来迎印を結ぶ阿弥陀如来立像を厚肉彫りする。作風から鎌倉中期の造立と見られている

阿弥陀磨崖仏 上半部

胸の中央に納入孔が認められ、願文・舎利・経文などが納められたと思われるが、納入物は現存しない

お顔は穏やかで眉から鼻筋に切れることなく彫られ、衲衣や衣文の流れに清涼寺様式の影響が認められる

像の下、須弥壇

須弥壇は、幅 257Cm 高さ 50Cmで、二区に分け各々内に格狭間をつくる

  磨崖 聖観音立像(県文)

磨崖 聖観音立像 (県指定文化財、江戸時代後期 嘉永元年 1848年、像高 252Cm)顔面が著しく摩耗している

造立のいきさつが知られる唯一の磨崖仏で、唐招提寺の聖観音を模写し、嘉永元年(1848)に ここに刻んだ記録と模写の下絵(県文)が残っている

  西国三十三観音磨崖仏(江戸時代)

千手観音磨崖仏(西国十二番札所 岩間寺、江戸時代前期)

「馬の背」と呼ばれる巨大な岩層の西斜面に刻まれている。細い道が穿たれ、磨崖仏の前まで行くことができる

 石山観音(いしやまかんのん)・地蔵磨崖仏                   石仏と石塔-目次!

如意輪観音(西国第一番札所 那智山青岸渡寺、江戸時代中期、座高 180Cm)

石仏の前、石水鉢に明和九年(1772)の年号がある。三十三観音石仏は江戸時代をさかのぼる作例はないという

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*JR関西本線 「関 駅」下車 南方向へ徒歩 約40分。

(撮影:平成21年9月8日)