森八幡宮(もりはちまんぐう)線刻不動明王

 森八幡宮線刻不動明王(京都府木津川市加茂町森ダラニ田)

   社殿右手、二個の大岩に不動明王と毘沙門天が各々線刻されている。鎌倉時代後期 正中三年(1326)の在銘で、八幡神社 摂社の本地仏として造立された。

森八幡宮線刻不動明王(府指定文化財、鎌倉時代後期 正中三年 1326年、砂岩、像高 100Cm)

岩面を薄く彫り沈め、直立し、やや右方を見る不動明王を線刻する。不動は、右手に利剣を持ち、左手に羂索を持つ。全身からは、火焔がたつ。

不動明王像 上半部

お顔は憤怒相で、左肩に弁髪を垂らす、額にしわがある

全身から火焔が立つ。左肩の横に「 「松童之本地」の刻銘がある 不動左肩横の刻銘: 「松童之本地」

「松童」は八幡神社 摂社の神で、横の大岩に刻まれている毘沙門天にある「武内」の刻銘も同様、摂社神。両像は、八幡神社 摂社の本地仏として造立された。

不動明王像 下半部

盤石の上に立つ不動の羂索、衣の裾(すそ)は風に翻る。左右に刻銘がある。

左下刻銘:「勧十方檀那奉造立之、願主仏子佮阿」 右下刻銘:「于時正中三年(1326)丙寅三月十八日」

森八幡宮(もりはちまんぐう)線刻不動明王・毘沙門天像

向かって左:不動明王、右:毘沙門天、府指定文化財、鎌倉時代後期 正中三年 1326年

 森八幡宮(もりはちまんぐう)線刻毘沙門天                     石仏と石塔-目次!

森八幡宮(もりはちまんぐう)本殿 (江戸時代初期)

 石  仏-紀年順-目次

*JR加茂駅東口より木津川市コミュニティバス 大畑線に乗車、「森バス停」下車 徒歩。

(撮影:平成19年6月3日、平成22年9月10日)