唐臼の壺(からすのつぼ)阿弥陀・地蔵磨崖仏

 唐臼の壺(からすのつぼ)阿弥陀・地蔵磨崖仏(京都府木津川市加茂町東小上内山)

  やぶの中三尊より安内板に沿って東方向へ約600m歩くと、この唐臼の壺 阿弥陀・地蔵磨崖仏に至る。南北朝時代の作で、当尾の磨崖仏では新しい年代になる。

唐臼の壺(からすのつぼ)阿弥陀・地蔵磨崖仏(南北朝時代前期 康永二年 1343年、花崗岩)

 唐臼の壺(からすのつぼ)阿弥陀磨崖仏

  阿弥陀坐像の向かって右側に燈籠を線刻し、火袋に火口をつくり、献灯できるようになっている。

唐臼の壺 阿弥陀磨崖仏 (南北朝時代前期 康永二年 1343年、花崗岩、高さ 90Cm 像高 69Cm

舟形を彫りくぼめ、蓮座上に坐す定印の阿弥陀如来を半肉彫りする 隣に燈籠が線刻され、火袋に火口を穿ってあり、献灯できる

阿弥陀像の向かって左脇に「康永二年(1343)癸未三月十五日願主 恒性」の刻銘がある。十五日は、阿弥陀の縁日。

唐臼の壺(からうすのつぼ)二尊磨崖仏

笑い仏(阿弥陀三尊磨崖仏)と同様、大岩が笠石のように乗り、下の巨石に阿弥陀と地蔵の二尊が刻まれている

阿弥陀像の衣紋は、「ちりめんじわ」とよばれる手法で表現される 隣に線刻されている燈篭。火口には、さい銭が置かれていた

 唐臼の壺(からすのつぼ)地蔵磨崖仏

  阿弥陀磨崖仏と同じ康永二年(1343)三月の紀年銘を持ち、阿弥陀は十五日の阿弥陀の縁日、地蔵は二十四日の地蔵の縁日の日を刻んでいる。

唐臼の壺 地蔵磨崖仏 (南北朝時代前期 康永二年 1343年、花崗岩、高さ 103Cm 像高 78Cm

舟形を彫りくぼめ、蓮華座上に、右手に錫杖・左手に宝珠を持つ通有の地蔵菩薩立像を半肉彫りする。衣紋のしわに特徴がある。

地蔵の向かって右脇に「康永二年(1343)癸未三月二十四日願主 勝珍」の刻銘がある。二十四日は、地蔵の縁日。

一鍬(ひとくわ)地蔵で、餌をくわえた小鳥に出逢った

 岩船(いわふね)阿弥陀三尊磨崖仏(わらい仏)                 石仏と石塔-目次!

一鍬(ひとくわ)地蔵磨崖仏

 一鍬(ひとくわ)地蔵磨崖仏(京都府木津川市加茂町東小上内山)

  唐臼の壺(からすのつぼ)磨崖仏から南へ少し歩くと一鍬(ひとくわ)地蔵にたどりつく。

一鍬(ひとくわ)地蔵磨崖仏(鎌倉時代中期、像高 165Cm)

鍬でかきとったような形から、もしくは鍬でつくったからこの名がついたといわれている。彫りが浅いのと長年の風化が進み、ほとんど像容が確認できない。

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*JR・近鉄奈良駅より奈良交通バス乗車、「浄瑠璃寺」下車、徒歩。

(撮影:平成19年1月8日・5月27日、平成20年10月4日、平成23年1月14日・2月3日)