西向寺(さいこうじ)線刻地蔵板碑

 西向寺(さいこうじ)(京都市北区紫野東蓮台野町)

西向寺 線刻地蔵板碑(南北朝時代後期 明徳二年 1391年、緑泥片岩、高さ 190Cm 幅 58Cm 厚さ 6Cm)

頭部を山形に作り二条線を刻む。輪郭を巻き、内に天蓋の下、蓮華座に立つ像高 53Cmの地蔵菩薩を線刻する

地蔵菩薩頭部

加茂のクボミ堂という所にあったものを、明治初年に西向寺に移したという

頭部の後は円光背、衣文の流れも柔らかい。右手に錫杖、左手に宝珠を持ち、胸には瓔珞を飾る。。阿波(徳島)で作られた板碑と思われている

蓮華座の部分

蓮華座の下に、一対の供花として蓮華を挿した花瓶を線刻する。花瓶の間と左右に下記の刻銘がある

「右意趣者、一結衆三十五人之、逆修善根、現世安穏、後生善所也、一結衆三十五人各敬白、明徳二年(1391)年三月廿八日」

一結衆三十五人が逆修善根、現世安穏、後生善処の願いを込めて明徳二年(1391)に造立した

本堂東側墓地の入口奥に板碑は祀られている

 大徳寺(だいとくじ)両面石仏                        石仏と石塔-目次!

西 向 寺 (浄土宗知恩院派に属する)

 板碑(いたび)

*京都市バス「仏教大学前バス停」下車、徒歩3分。東山正法寺の板石塔婆と了蓮寺(百万遍知恩寺塔頭)の板塔婆とともに京都における三板碑の一つとされている

(撮影:平成20年2月2日)