高山寺(こうざんじ)宝篋印塔(南塔)

 高山寺(こうざんじ)(京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8番地)

  もう一基ある重文の宝篋印塔と同様、我国 宝篋印塔の早期の様式を示す

高山寺(こうざんじ)宝篋印塔 南塔 (指定なし、鎌倉時代中期、花崗岩)

塔身、縦長で重厚感がある。四面とも素面(正面と東面)
高山寺開山廟域内にあり、廟の傍、南側に立っている 塔身、縦長で重厚感がある。四面とも素面(背面:北面)

笠は三石からなり、段型は下二段、上六段で上から三段は別石、隅飾りは笠とは別の石で造られている

隅飾は、別石で長大な馬耳状で、直立する。また、わずかに切込を入れ二弧になっている。もう一基の宝篋印塔(重文)と同形式

隅飾りがわずかに切込を入れ二弧になっている

相輪は、他の石が置かれ、不思議にこの塔に似合って、重厚な雰囲気に一役かっている。又、この塔は、我国 宝篋印塔の早期の様式を示す

基  礎

基礎は低く、上端に低い一段の段型をつくる

 神護寺(じんごじ)の石塔                              石仏と石塔-目次!

後方の隅飾りは、二基とも破損しているが、全体の雰囲気に存在感があり、笠の三石や基礎上端一段の段型など、重文塔よりも古く見える

薮田嘉一郎氏は「宝篋印塔の起源」補考のなかで、重文塔が明恵上人の髪爪塔で暦仁二年(1239)塔に相違ない、とした上で南塔は重文塔の摸作としている

宝篋印塔紀年順  徳源院宝篋印塔(高広 墓)(鎌倉時代中期)  宝篋印塔-紀年順-目次

*JR京都駅よりJRバスにて「栂尾」下車、徒歩約5分。

(撮影:平成22年5月21日)