元明院(げんみょういん)(京都府亀岡市旭町谷川 2)
寺伝によれば、和銅元年(708)元明天皇(げんめいてんのう)の勅願により開かれたという。現在は、廃寺となっている。
元明院(げんみょういん)宝篋印塔 (市指定文化財、南北朝時代、花崗岩)
塔身正面、金剛界四仏の種子を薬研彫する(タラーク:宝生如来) | ||
石塔は、5~6尺塔で、門をくぐった右手、石柵に囲まれて中央に立っている | 塔身、金剛界四仏の種子を薬研彫する(キリーク:阿弥陀如来) |
宝篋印塔 笠
笠の段形は、下二段、上六段、隅飾は二弧輪郭付で内に梵字を刻まない月輪を陽刻し、やや外傾する
塔身背面、金剛界四仏の種子を薬研彫する(アク:不空成就) | ||
塔身、金剛界四仏の種子を薬研彫する(ウーン:阿閦如来) | 塔身は、蓮華座や月輪を刻まず、直接金剛界四仏の種子を刻む |
基 礎
基礎上端は複弁の反花、側面は四面とも輪郭を巻き内に形のよい格狭間をつくる
相輪は、下から伏鉢・複弁の請花・九輪で、九輪は六輪を残し上部の請花・宝珠を欠失する。全体に、まとまった美しい宝篋印塔だ。 |
反花座
薄い複弁反花座を置き、その上に石塔は立つ
宝篋印塔の左側に置かれた五輪塔形板碑 | 石柵外、宝篋印塔の後側に置かれた一石五輪塔 |
元明寺 (げんみょういん)
高野山真言宗の古刹であったが、現在は無住の廃寺となっている。
尚、元明院にあった国・重文の木造阿弥陀如来立像(平安時代)は、九州博物館の所蔵となっている。
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*JR山陰本線 亀岡駅前から亀岡市ふるさとバス 川東コース(河原林、旭経由)に乗車、「美濃田バス停」下車、東方向へ 徒歩 約8分。参道入り口は、白いフェンスで足止めされる。
(撮影:平成22年10月7日)