高野山町石（こうやさんちょういし）（和歌山県伊都郡高野町・かつらぎ町・九度山町）

　九度山町の慈尊院から伽藍大塔まで180町に180基、大塔から奥の院大師廟までの36町に36基の五輪卒塔婆を立て町石とした

九十一町石（国史跡、鎌倉時代中期、花崗岩、本尊種子：迦旃延）

正面願主：「沙弥道恵」、地輪長 198Cm 正面幅 28Cm

町石五輪卒塔婆は正面に五輪塔の梵字を刻み、その下に大きく本尊の種子、町目、願主名や願文を刻んでいる

九十二町石（鎌倉時代中期、本尊の種子：優波利）		九十三町石（鎌倉中期 文永五年 1268年、本尊種子：智拘絺羅）
右面願主：「平朝臣篤時」、左側面：「為亡父得脱」		左側面：「文永五年三月　日」、右側面：「左衛門尉藤原行清」

高野山町石は弘法大師空海が登山者の道しるべとして、弘仁七年（816）に木製の卒塔婆を建立したと伝えられ、鎌倉時代中期の文永二年（1265）に

覚きょう上人が発願して石造卒塔婆に立て替えられた。20年後の弘安8年（1285）に落慶法要が行われている。桃山・江戸・大正時代に改補修したものもある

九十四町石（国史跡、鎌倉時代中期 、花崗岩、総高 255Cm、本尊種子：供養雲海菩薩）

左側面願文：「為二親并比丘尼信阿」、右側面願主：「山田左衛門入道西仙」

九十五町石（鎌倉中期 文永九年 1272年、種子：文殊菩薩）		九十六町石（鎌倉時代中期、本尊の種子：光網菩薩）
正面願主：「肥田新左衛門入道引佛」		左面願主：「遠州高薗惟氏」
左側面：「文永九年五月十四日」、右側面：「伊豆国」		右側面願主：「沙弥能念 沙弥行蓮」

町石は花崗岩製で、鎌倉時代のものは一石で彫成され、大きさは 高さ 267Cmで30Cm角（一尺）を標準としている

九十七町石（鎌倉時代中期 頭部は大正2年後補、総高 241Cm、本尊の種子：宝冠菩薩）、右側面：「沙弥心蓮」

九十八町石（国史跡、鎌倉時代中期 頭部大正2年後補、花崗岩、本尊種子：無垢光菩薩）

正面願主：「比丘尼聖妙」、総高 282Cm 正面幅 32Cm

　高野山町石五輪卒塔婆、101～110町石（慈尊院側） 　　　　　町石目次　　　　石仏と石塔-目次！

九十九町石（鎌倉時代中期、本尊の種子：月光菩薩）		百町石（鎌倉時代中期、本尊の種子：妙音菩薩）
左面願主：「比丘尼覚如」、総高 220Cm 幅32Cm		左面願主：「治部権少輔高階朝臣経章」
右側面：「為別當入道惟方并、春宮大進仲房」		総高 270Cm 正面幅 30Cm　地輪長 270Cm

九度山町 慈尊院からの道は「高野山町石道（こうやさんちょういしみち）」と呼ばれ高野山への表参道であった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（参考文献：「高野山町石の研究」 愛甲昇寛 著、密教文化研究所 他）

五輪塔紀年順

高野山 178・179町石五輪卒塔婆（慈尊院側）（鎌倉中期）

五輪塔-紀年順-目次

＊南海電鉄 極楽橋よりケーブル「高野山駅」下車、南海バス「大門バス停」下車 徒歩。又は南海電鉄「九度山駅」下車、北西へ 徒歩1.5Kmの慈尊院から町石道を歩く

（撮影：平成21年3月26日、平成21年4月24日））