高野山町石(ちょういし)五輪卒塔婆

 高野山町石(こうやさんちょういし)(和歌山県伊都郡高野町・かつらぎ町・九度山町)

 九度山町の慈尊院から伽藍大塔まで180町に180基、大塔から奥の院大師廟までの36町に36基の五輪卒塔婆を立て町石とした

21〜30町石(伽藍大塔〜慈尊院)

  慈尊院側(九度山慈尊院から大塔まで180町に180基の町石が立つ。町石は胎蔵界百八十尊を表し、すべて国史跡)

二十一町石(鎌倉時代中期 文永七年 1270年、種子:寂留明菩薩) 二十二町石 (大正二年 1913年、本尊の種子:大吉祥明菩薩)
正面願文:「為主君聖霊」 右側面:「大法師能心」 右側面刻銘:「和泉国泉南郡西口満喜尼」
左側面紀年名:「文永七年(1270)八月廿三日」 背面:「大正二年(1913)立秋再建 福田海」

町石五輪卒塔婆は正面に五輪塔の梵字を刻み、その下に大きく本尊の種子、町目、願主名や願文を刻んでいる

二十三町石(鎌倉時代中期、本尊の種子:大吉祥大明菩薩) 二十四町石 (大正二年 1913年、本尊の種子:如意輪菩薩)
正面願主:「藤原氏女」 背面:「大正二年(1913)立秋再建 岡山 若林」

二十五町石(国史跡、鎌倉時代中期 文永五年 1268年、花崗岩、本尊種子:耶輸陀羅菩薩)

正面願主:「左近将監平朝臣義宗」   左側面刻銘:「文永五年(1268)閏正月日」

二十六町石(鎌倉中期 文永五年 1268年、種子:率覩波大吉祥菩薩) 二十七町石(鎌倉時代中期、本尊種子:大随求菩薩)
正面願主:「左近将監平朝臣義宗」 正面願主:「左衛門尉藤原泰朝、左衛門尉藤原長綱」
右側面刻銘:「文永五年(1268)閏正月日」 地輪長 135Cm、正面幅 32.1Cm、側面幅 31.5Cm

町石は花崗岩製で、大きさは 高さ 267Cmで30Cm角(一尺)を標準としている

二十八町石(国史跡、鎌倉時代中期、花崗岩、本尊種子:白処観自在菩薩)

正面願主:「典薬権助和気経成」      右側面願文:「為父母并祖母」

 高野山町石五輪卒塔婆、31〜40町石(慈尊院側)      町石目次     石仏と石塔-目次!

二十九町石(鎌倉時代中期、本尊種子:大吉祥変菩薩) 三十町石(鎌倉時代中期、本尊種子:水吉祥菩薩)
正面願主:「比丘尼善□如」地輪長 190Cm 幅 29.5Cm 正面刻銘:「十方施主」地輪長 156Cm 幅 29Cm

九度山町 慈尊院からの道は「高野山町石道(こうやさんちょういしみち)」と呼ばれる高野山への表参道

                                            (参考文献:「高野山町石の研究」 愛甲昇寛 著、密教文化研究所 他)

五輪塔紀年順  高野山 74町石五輪卒塔婆(慈尊院側)(鎌倉中期)  五輪塔-紀年順-目次

*南海電鉄 極楽橋よりケーブル「高野山駅」下車、南海バス「大門バス停」下車 徒歩。又は南海電鉄「九度山駅」下車、北西へ 徒歩1.5Kmの慈尊院から町石道を歩く

(撮影:平成21年3月26日、平成21年4月23日))