長久寺（ちょうきゅうじ）石燈籠（茨城県つくば市小田2716-7）

　 長久寺の北東約1Kｍに、奈良西大寺の僧 忍性（にんしょう）が、関東へ律宗布教の拠点とした三村山清冷院極楽寺があった。石燈籠はその遺品。

長久寺（ちょうきゅうじ）石灯籠（県指定文化財、鎌倉時代中期、花崗岩、高さ 240Cm)

		頂部の宝珠は、裾に花弁（請花）を刻出する珍しいもの
石燈籠は、本堂の手前、向かって右側に立っている		笠は蕨手（わらびて）をすべて失い、下面は隅垂木風に仕上げる

石燈籠は、関東地方唯一の鎌倉時代の遺品で関東式石燈籠

壁面、胎蔵界大日如来の種子「アーク」		壁面、金剛界大日如来の種子「バン」

火袋はやや小さく、上区二区竪連子、下区は一区格狭間で、中区は火口二面、丸窓二面、壁面二面とし、壁面は蓮華座上月輪内に金剛界と胎蔵界の大日如来の種子を刻む

上端請座が三段の関東式中台

中台は、上端に三段の請座を設け、側面は二区に分け、下端は覆輪付き単弁の蓮弁を刻出する

竿は失われ、昭和50年に川勝政太郎・柴田俊治両氏により現状のように推定復元された。上中下の三節で胴を引きしめる。

基　　礎

基礎は平面円形、側面は六区に分け、上端は彫りの深い十二葉の単弁反花とする

　湯地蔵石仏龕（ゆじぞうせきぶつがん）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　石仏と石塔-目次！

長久寺 本堂

小田の地は、鎌倉時代から戦国時代にかけて常陸国南部に勢力を持った小田氏の居城があった

奈良西大寺の忍性は小田氏の帰依を受け、極楽寺を拠点として関東への律宗布教活動を行った

　石燈籠（いしどうろう）

＊JR土浦駅前から関東鉄道バス 筑波山口行きに乗車、「小田十字路バス停」下車 西方向へ約1Km。

(撮影：平成22年4月4日）