新宿墓地(しんじゅくぼち)宝篋印塔

 新宿墓地(しんじゅくぼち)宝篋印塔(兵庫県佐用郡佐用町末広485-3)

  小型ながら端正な姿を見せる宝篋印塔で、南北朝時代後期 嘉慶二年(1388)の紀年銘がある。

新宿墓地(しんじゅくぼち)宝篋印塔 (県指定文化財、南北朝時代後期 嘉慶二年 1388年、凝灰岩、高さ 100Cm)

塔身南面、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生如来)
宝篋印塔は、塔身に金剛界四仏を刻み、小型だがよく整っている。 塔身西面、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦如来)

宝篋印塔は、複弁反花座上に立つ。塔身は四面に金剛界四仏種子を刻み、基礎二面の束に刻銘がある。相輪の上部を欠失するが、それ以外は完存する。

段型は、下二段、上六段。隅飾(すみかざり)は、二弧輪郭付で内は無地。

塔身北面、月輪内に金剛界四仏を刻む(アク:不空成就如来)
塔身東面、月輪内に金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀如来) 「中津河」という地名も刻まれた、貴重な南北朝時代後期の在銘塔。

金剛界四仏種子は各面の種子が、南面:タラーク(宝生如来)、西面:キリーク(阿弥陀如来)、北面:アク(不空成就如来)、東面:ウーン(阿閦如来)だが、

本塔は、南北面の種子は合っているが、西面に「ウーン(阿閦如来)」、東面に「キリーク(阿弥陀如来)」が刻まれ、東西の種子が入れ替っている。口口口

基礎 南面

上端は複弁反花、側面は四面とも輪郭を巻き内に格狭間をつくる。格狭間内は、無地。

南面の束、向って右に「嘉慶二(1388)、左に八月十九」の紀年銘がある。

相輪は下から、伏鉢、請花、九輪で、九輪は八輪を残し、その上の請花・宝珠を欠失する。

基礎 西面

西面の束、向って右に「播磨國」、左に「中津河(なかつがわ)の地名を刻む。

反花座

上端は、複弁反花。

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新宿墓地(しんじゅくぼち)宝篋印塔 (県指定文化財、南北朝時代後期 )

山裾、防獣ネットの山側に立っている。

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*JR姫新線「三日月駅」下車、国道179号線を西方向へ約1.7Kmあたりにある三差路を北西(新宿集落の方)へ入り、約200m先でコンクリート製の小川を渡り、その少し先の倉庫か工場の右側から山裾に入り、西方向に約50m位行くと防獣ネットの入口がある。宝篋印塔は、その対面に立っている。場所は、新宿集落に入ってから地元の人に聞くのが無難と思われる。

(撮影:平成25年7月2日)