薬師堂(やくしどう)阿弥陀三尊種子板碑

 薬師堂(やくしどう)阿弥陀三尊種子板碑(兵庫県小野市復井町)

  兵庫県下最古の在銘石造美術品で、建長八年(1256)の紀年銘を持つ貴重な板碑

阿弥陀三尊種子板碑(県指定文化財、鎌倉時代中期 建長八年 1256年、凝灰岩、高さ 89Cm)

組合せ式石棺の底石を利用して造られたもので、頂部を山形に成形し、正面上方に阿弥陀三尊の種子を薬研彫する

板碑は高さ 89Cm、幅 61Cm、厚さ 13Cmで凝灰岩製。川勝博士の日本石造美術辞典では「下復井薬師堂三尊種子石棺仏」として紹介されている

板碑上部 阿弥陀三尊の種子

上部に大きく阿弥陀の種子「キリーク」、向かって右下に観音の種子「サ」、左下に勢至菩薩の種子「サク」を刻む。左右の縁に刻銘がある

向かって左縁の刻銘:「建長八(1256)丙口  孝子」 右縁の刻銘:「右志者  為慈父慈母」

建長八年(1256)の紀年銘は、兵庫県下では最古の在銘で、大変貴重な板碑である

板碑は、三基並んだ向かって右端に安置されている

左端の板碑:中央上部に、蓮華座上に坐す定印の阿弥陀を刻む 中央の板碑:上部に、阿弥陀如来を刻む

覆屋の中に三基の板碑が納められている

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薬 師 堂

 板碑(いたび)

*JR加古川線「青野ヶ原駅」 下車 東北方向へ徒歩 約7分。薬師堂の西側に安置されている。

(撮影:平成22年2月8日)