遊女塚(ゆうじょづか)宝篋印塔

 遊女塚(ゆうじょづか)(西垂水共同墓地)(神戸市垂水区仲田町1丁目1)

  基壇を加えると高さ4mにも及ぶ巨大な宝篋印塔で、鎌倉後期の余風を残している。

遊女塚 宝篋印塔(県指定文化財、南北朝時代前期 建武四年 1337年、花崗岩、高さ 338Cm)

塔身、金剛界四仏の種子を薬研彫りする(南面、タラーク:宝生如来)
もと海神社の西にあったが、明治21年鉄道建設で、現在地に移された 塔身、金剛界四仏の種子を薬研彫りする(西面、キリーク:阿弥陀如来)

笠の段型は、下二段、上六段、隅飾は輪郭つきの三弧で別石で作る。内部に月輪を陽刻して梵字を入れる

隅飾内の梵字は、四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)と胎蔵界中台八葉院の四隅の四菩薩(普賢・文殊・弥勒・観音)を交互に、

ビ」:増長天、「アン」:普賢、「ビー」:広目天、「ユ」:弥勒、「バイ」:多聞天、「サ」:観音、「ヂリ」:持国天、「マン」:文殊の順で刻む

塔身、金剛界四仏の種子を薬研彫りする(北面、アク:不空成就)
塔身、金剛界四仏の種子を薬研彫りする(東面、ウーン:阿閦如来) 基壇を加えると高さ4mにも及ぶ存在感のある大きな宝篋印塔

基礎 正面(南面)

基礎上端は別石で二段、側面は二区で、各々格狭間を作る。輪郭の側面に刻銘が入る

南面の刻銘:「法界含蔵、宝篋印、塔基嶢立」

基礎 西面

西面の刻銘:「太虚空、百千諸仏、発真智」

相輪は、上部の請花を失っている 隅飾は、内部の月輪に梵字を刻む(西面、「ビー」:広目天)

基礎 背面(北面)

北面の刻銘:「一切衆生、悟正宗、建武二二(四)(1337)丁丑三」

基礎 東面

東面の刻銘:「勧進士忠禅師、大工沙弥願一、納咒千経七」

 西名(にしみょう)宝篋印塔                             石仏と石塔-目次!

宝篋印塔は基礎の刻銘から建武四年(1337)の造立と知れる

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*JR・山陽電鉄「垂水駅」下車、北西方向へ徒歩5分

(撮影:平成20年2月11日、平成22年2月8日)