玉野(たまの)薬師堂の石造物

 玉野(たまの)薬師堂(兵庫県加西市玉野町)

  阿弥陀三尊種子板碑(石棺板碑)

阿弥陀三尊種子板碑(石棺板碑)(市指定文化財、鎌倉時代中期 建治三年 1277年、凝灰岩)

上下二つに割れているが復元すると総高214Cm。組合せ式石棺の底石を使用し、底石の裏に阿弥陀三尊の種子を刻む

下部 (高さ 133.5Cm、幅 111.8Cm、厚さ 17.5Cm) 上部 (高さ 109.8Cm、幅 104.8Cm、厚さ 19.7Cm)

上部の中央に大きく阿弥陀如来の種子「キリーク」、向かって右下に観音菩薩の種子「サ」、左下に勢至菩薩の種子「サク」を刻む

下部の中央には建治三年(1277)の紀年銘が入っている(「建治三年丁丑二月十六日」)

 玉野薬師堂(たまのやくしどう)五輪塔

 玉野(たまの)薬師堂(兵庫県加西市玉野町)

  水輪に金剛界四仏の種子を刻む五輪塔で、南北朝時代 中期 応安四年(1371)の紀年銘がある。

玉野薬師堂五輪塔(市指定文化財、南北朝時代 応安四年 1371年、凝灰岩、高さ 162Cm)

五輪塔には珍しく水輪に金剛界四仏の種子が刻まれている。金剛界四仏種子は通常の阿シュク如来に代えて薬師如来が刻まれている

南面-宝生如来の種子(タラーク)、西面−阿弥陀如来の種子(キリーク)、北面−不空成就如来の種子(アク)、東面-薬師如来の種子(バイ)

南面の地輪には応安四年(1371)の紀年銘がある

「応安二二(四)年(1371)辛亥八月十八日、一結衆敬白」

 玉野薬師堂 阿弥陀三尊種子板碑

  玉野(たまの)薬師堂(兵庫県加西市玉野町)

阿弥陀三尊種子板碑(市指定文化財、鎌倉時代、凝灰岩、高さ 68Cm 幅 36Cm 厚さ 9Cm)

頭部山形、下の二条線はなく、側面に二段の切込を施す。身部は、中央に大きく阿弥陀如来の種子

「キリーク」、その下右側に観音菩薩の種子「サ」左側に勢至菩薩の種子「サク」を力強く薬研彫りする

 浮彫石仏

浮彫石仏 二体とも右手錫杖・左手宝珠の地蔵菩薩立像が浮彫で刻まれている

 玉野薬師堂 法華曼荼羅種子板碑

  玉野(たまの)薬師堂(兵庫県加西市玉野町)

法華曼荼羅曼荼羅種子 板碑(市指定文化財、鎌倉時代後期、凝灰岩、高さ 55.4Cm 幅 48Cm 厚さ 11.4Cm)

円内中央、向かって右に釈迦の種子「バク」、左に多宝如来の種子「ア」の二仏

周囲は上から時計回りに、文殊菩薩の種子「ア」、薬王菩薩の種子「バー」、妙音菩薩の種子「ア」、常精進菩薩の種子「ア」、

無尽意菩薩の種子「アク」、観音菩薩の種子「ボ」、普賢菩薩の種子「アン」、弥勒菩薩の種子「ユ」の八菩薩を刻む

 清慶寺(せいけいじ) 宝篋印塔と石棺種子板碑                  石仏と石塔-目次!

薬師堂境内の石造物

 板碑(いたび)

五輪塔紀年順  稲葉崎(いなばさき)五輪塔(南北朝時代中期)  五輪塔-紀年順-目次

*玉野薬師堂は山伏峠石棺仏から東南へ約1Km

(撮影:平成20年2月23日)