龍光寺(りゅうこうじ)(群馬県富岡市富岡1093)
身部に二種の偈を刻む特色のある鎌倉時代中期 建治二年(1276)の板碑
龍光寺墓地三尊種子板碑 (鎌倉時代中期 建治二年 1276年、緑泥片岩、高さ 121Cm)
板碑 上部
頭部を山形、その下に二段の切込をつくる
身部 上部
上部に天蓋(てんがい)をつくる
天蓋の下、蓮華座上二重線の月輪内に阿弥陀三尊の種子「キリーク(阿弥陀)」、「サ(観音)」、「サク(勢至)」を刻む。三個の月輪は、上と左右に火焔がつく
板碑は、本堂に向かって左手を通り 墓地に入った右手側、松井家墓域に立っている
阿弥陀の種子「キリーク」
蓮華座上に線刻された二重線の月輪は、上と左右に火焔をつける
下部に「右志者、奉為過去聖霊、出離生死、往生極楽也、平二入道 敬白、建治二年(1276)丙子三月二日」の銘文が刻まれる |
身部の向かって右帯に「即知本誓(そくちほんぜい)、重願不虚(じゅうがんふこ)」、左帯に「衆生称念(しゅじょうしょうねん)、必徳往生(ひつとくおうじょう)」
の往生礼讃の偈が刻まれる。(ここでは、第一句の「当知本誓」を「即知本誓」とする。)
[ まさに知るべし、本誓の重願(弥陀の四十八願) 空しからず、衆生称念すれば、必ず往生するを得ん ]
身部の上帯に「当地此人(とうちしにん)、為得大利(いとくだいり)」の無量寿経下巻の偈が刻まれる
[ まさに知るべし、この人、大利を得たのであるということを ]
身部の下帯に「即是具足(そくぜぐそく)、無常功徳(むじょうくどく)」の無量寿経下巻の偈が刻まれる
[ 即ち、これ無上の功徳を具足するなり ]
龍 光 寺 本 堂
*上信電鉄「上州富岡駅」下車、南西方向へ 約500m。
(撮影:平成22年4月7日)