珊瑚寺(さんごじ)(群馬県前橋市富士見町石井1227)
上部を欠損する。珊瑚寺の板碑では最も古い鎌倉時代後期 正和四年(1315)の紀年銘がある。
珊瑚寺 阿弥陀三尊種子板碑(断碑)(鎌倉時代後期 正和四年 1315年、緑泥片岩、高さ 97Cm 幅 44Cm 厚さ 5.5Cm)
向って右横の阿弥陀種字「キリーク」の断碑は、本板碑の上部か?
二基の建武銘 板碑の後方に立つ。上部の阿弥陀種字を欠損、欠損部は右横にある断碑か。下方は造立趣旨・紀年銘・光明真言を刻む。 |
板碑 上方
上部を欠損、阿弥陀三尊の脇侍種字を残す。身部は一重線の輪郭を巻く。
三尊種子は、上方欠損部に阿弥陀の種子「キリーク」、残存部の右に観音種子「サ」、左に勢至種子「サク」を各々蓮座上に刻む。
身部、下方の刻銘
中央に「正和二二(四)年(1335)、乙卯、十月三日、沙弥定蓮生年、七十二首時往生」、両側に光明真言を刻む。
梵字光明真言:「オン、ア、ボ、ギャ、ベイ、ロ、シャ、ナ、マ」、「カー、ボ、ダラ」 「マ、ニ、ハン」、「ドマ、ジンバ、ラ、ハラ、バ、リタ、ヤ、ウーン」
紀年銘 及び 造立趣旨 | 板碑 側背面 |
紀年銘:「正和二二(四)年(1335)、乙卯、十月三日」 造立趣旨:「沙弥定蓮生年、七十二首時往生」
刻銘:「七十二首時往生」 | 刻銘:「沙弥定蓮生年」 |
身部下方
身部輪郭の下方横線、右端枠外に横向きに「行光」の刻銘がある。
本板碑の右横の断碑
阿弥陀三尊種子の欠損部か、阿弥陀種子「キリーク」の断碑
珊瑚寺(さんごじ)石塔群
*JR前橋駅前から日本中央バス 富士見温泉行き に乗車、「珊瑚寺入口バス停」下車、すぐ。
(撮影:平成28年10月14日)