紅巌寺跡(こうがんじあと)笠塔婆

 紅巌寺跡(こうがんじあと)笠塔婆(群馬県伊勢崎市宮子町1416)

  群馬県では二番目に古い笠塔婆で、鎌倉時代中期、文永五年(1268)の紀年銘がある。

紅巌寺跡(こうがんじあと)笠塔婆(県指定文化財、鎌倉時代中期 文永五年 1268年、角閃石安山岩、高さ 116Cm)

旧 紅巌寺の墓地に立つ笠塔婆で、「宮子の笠塔婆」と呼ばれている。塔身の正面と背面に刻銘がある。(写真は、正・側面)

笠    石

一石で、頂部に宝珠を模した小突起を削りだす。(一辺 約37Cm)

 
塔身 正面 (塔身:長さ 約80Cm、幅 約26Cm) 正面上部、阿弥陀三尊の種字

塔身正面は 上部に阿弥陀三尊の種字、下方に下に浄土教 古徳之偈を刻む。

三尊種字は、上方に大きく阿弥陀如来の種子「キリーク」、その下向かって右に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を各々蓮座上に刻む。

塔身 下部 (浄土教古徳之偈)

偈(げ):「十方三世佛(じっぽうさんぜぶつ)、一切諸菩薩(いっさいしょぼさつ)、八万諸聖教(はちまんしょしょうぎょう)、皆是阿弥陀(かいぜあみだ)

[ 十方三世の御仏、一切の諸菩薩、八万の諸聖教は、みなこれ阿弥陀 也 ]

笠塔婆 背面 塔身 背面、三行の刻銘がある。

背面の刻銘:「文永五年(1268)、大才、戊辰、五月廿五日僧吉阿弥」、「右口口慈父聖霊成仏得道」、「男女教子敬白」

[ 鎌倉時代中期、文永五年(1268)五月二十五日に、亡き父の成仏を祈り、男女七人の子らが造立した ]

基 礎

現地 説明版

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笠塔婆 覆屋

墓地の中央にある。

 笠塔婆(かさとうば)

*駒形駅北口から軍馬中央バス 伊勢崎病院北行きの乗車、「稲荷山バス停」下車、北西方向へ 約2分。

(撮影:平成28年10月14日)