医光寺(いこうじ)(群馬県藤岡市牛田399)
阿弥陀三尊種字を刻む大型板碑で、鎌倉時代後期 延享三年(1310)の紀年銘がある。
医光寺 阿弥陀三尊種子板碑(市指定文化財、鎌倉時代後期 延享三年 1310年、緑泥片岩、高さ 253Cm 幅 52Cm 厚さ 6Cm)
本堂前、向って左手に立つ。身部は一重線の輪郭を巻き、上方に阿弥陀三尊種子、下方は浄土教古徳之偈及び造立趣旨・紀年銘を刻む。 |
板碑 頭部
頭部 山形、下に二段の切込、身部は一重線の輪郭を巻く。
身部上方、阿弥陀三尊種字 | 身部、下方の刻銘 |
阿弥陀三尊種子は、上方に阿弥陀如来の種子「キリーク」、向って右下 に観音菩薩の種子「サ」、左に勢至菩薩の種子「サク」を刻む。
下方の刻銘は、上方に浄土教古徳之偈、下方に造立趣旨及び紀年銘を刻む。
身部下方(上部) (浄土教古徳之偈)
偈(げ):「十方三世佛(じっぽうさんぜぶつ)、一切諸菩薩(いっさいしょぼさつ)、八万諸聖教(はちまんしょしょうぎょう)、皆是阿弥陀(かいぜあみだ)」
[ 十方三世の御仏、一切の諸菩薩、八万の諸聖教は、みなこれ阿弥陀 也 ]
身部下方(下部)の刻銘 | 刻銘:「延享三年、大才、庚戌、十月十四日」 |
下方(下部)の刻銘は、中央に「延享三年(1310)、大才、庚戌、十月十四日、敬白」、向って右に「右志者為過去諸聖霊殊一結衆等」、
左に「已上(いじょう)十六人往生極楽乃至法界平等利益也」と刻む。
(鎌倉時代後期 延享三年(1310)十月十四日 一結衆 十六人以上が発願し、本板碑を造立した)
板碑、側背面 | 板碑は、明治の末頃 神流川(かんながわ)の土中で発見された。 |
板碑 覆屋
医光寺(いこうじ)(天台宗)
*JR八高線 群馬藤岡駅前から日本中央バス 鬼石方面行き に乗車、「美九里公民館前バス停」下車、南東方向に徒歩 約11分。
(撮影:平成28年10月15日)