野間神社(のまじんじゃ)宝篋印塔

 野間神社(のまじんじゃ)(愛媛県今治市神宮甲699)

  宝篋印塔は塔身の下に台座を入れる、これは愛媛県の旧越智群から尾道浄土寺に至るこの地方独特のもので越智式と呼ばれる

野間神社宝篋印塔(重要文化財、鎌倉時代後期 元亨二年 1322年、花崗岩、高さ 211Cm)

塔身、金剛界四仏の種子を刻む(ウーン:阿閦如来)
塔身下に、上向きの繰形の請座を設けるこの地方独特の形 塔身、金剛界四仏の種子を刻む(タラーク:宝生如来)

笠の段形は、下二段、上六段、隅飾は別石で三弧輪郭付、内に月輪を陽刻し梵字を刻む

塔身、金剛界四仏の種子を刻む(キリーク:阿弥陀如来)
塔身、金剛界四仏の種子を刻む(アク:不空成就) 相輪は、江戸時代の後補

基礎は背が低く、上端に下向きの繰形座を設ける、側面は輪郭を巻き大きく格狭間をつくっている

隅飾は、三弧輪郭付で内に月輪を陽刻し金剛界大日の種子「バン」を刻む。石塔は、下方の谷間にあったものを現在の地に安置された

塔身、ウーン(阿閦)の種子両側に「右志者、奉為神明法楽、別為紀有春並藤原氏、助病延命、□□□□、法界平等利益也、元亨二年(1322)・・・・、

大願主 紀有春 藤原氏 敬白」の刻銘があり、紀有春と妻の藤原氏が除病延命を祈願して元亨二年(1322)に造られたことがわかる

野間神社(石鳥居の奥に随身門がみえる)

 馬場(ばば)五輪塔                               石仏と石塔-目次!

野間神社拝殿

宝篋印塔紀年順  光福寺(こうふくじ)宝篋印塔(鎌倉時代後期)  宝篋印塔-紀年順-目次

*JR今治駅から瀬戸内バス で「延喜バス停」下車、南へ徒歩 約20分

(撮影:平成20年5月27日)