関 貞治三年銘 金剛界大日種子自然石塔婆

 関(せき)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町関字栃沢)(No:11-29、後列、左から11基目)

  金剛界大日種子を主尊とする石塔婆で三十五日(五七日:ごしちにち)の追善供養として造立された。貞治三年(1364)の紀年銘がある。

関 金剛界大日種子自然石塔婆(県指定史跡、南北朝時代中期 貞治三年 1364年、安山岩、高さ 52Cm 幅 39Cm)

三十五日の追善供養として造立された石塔婆で、表面 上方の月輪内に金剛界大日如来の種子「バーンク」、下方に願文と紀年銘を刻む。

石塔婆 上部

二重月輪内に金剛界大日如来の種子「バーンク」(五点具足)を大きく刻む。

「バーンク」は、発心(命点)・修行・菩提(空点)・涅槃・方便究竟の五点を備えた形。

石塔婆 下部

四行で、願文と紀年銘を刻む。

刻銘:口塔口口、口円口口、三十五日乃為、貞治三年(1364)

五七日(ごしちにち)忌(三十五日)に造立された石塔婆。

尚、十三仏信仰における五七日忌(三十五日)に割り当てられた仏菩薩は「地蔵菩薩」。

関(せき)貞治六年銘 名号自然石塔婆

 関(せき)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町関字栃沢)(No:11-7 前列、左から7基目)

  妙如 百ヶ日追善供養の為造立された石塔婆で、本石塔婆群に五基ある名号石塔婆のなかで一番古い貞治六年(1367)の紀年銘がある。

関(せき)六字名号自然石塔婆(県指定史跡、南北朝時代中期 貞治六年 1367年、安山岩、高さ 103.5Cm 幅 76Cm)

自然石の正面中央 二重輪郭内に「南無阿弥陀仏」の六字名号、向って右側の輪郭内に造立趣旨、左側の輪郭内に紀年銘を刻む。

板碑群、正面付近前列の目立つ場所に置かれている。頭部 山形に近い石を利用、中央の六字名号「南無阿弥陀仏」は、天蓋と蓮座で荘厳する。

向って右側の輪郭内に「右志者妙如一百ヶ日之御為也」、左の輪郭内に「貞治六年(1367)八月廿日施主 敬白」と刻む。

石塔婆 上部

二重輪郭内頂部に瓔珞(ようらく)を垂らした天蓋(てんがい)を刻む。

刻銘:貞治六年(1367) 妙如の百ヶ日忌供養として貞治六年八月廿日に造立された。

尚、十三仏信仰における百ヶ日忌に割り当てられた仏菩薩は「観音菩薩」。

関(せき)の古碑群(自然石塔婆群)中央部 (県指定史跡、南北朝時代前期~室町時代前期)

写真、後列の向って右から三基目が金剛界大日種子石塔婆(No:11-29)、前列の左端が名号石塔婆(No:11-7)。

関(せき)の古碑群(自然石塔婆群)現地説明板 (前列18基、後列24基、Noがついている)

 関(せき)貞治六年銘 金剛界大日種子自然石塔婆                石仏と石塔-目次!

関(せき)の古碑群(自然石塔婆群) (県指定史跡、南北朝時代前期~室町時代前期、安山岩、高さ 39.5~107.5Cm)

甕杉(かめすぎ)のそば、覆屋内に42基の石塔婆が安置されている。

 板碑(いたび)

*JR五能線 「北金ヶ沢駅」下車、東南東方向へ 徒歩 約18分。

(撮影:平成25年10月15日)