関 延文五年銘 胎蔵界大日種子自然石塔婆

 関(せき)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町関字栃沢)(No:11-32、後列、右から11基目)

  亡き両親の三十三回忌に造立された石塔婆で、延文五年(1360)の紀年銘を持つ。胎蔵界大日種子を主尊とする。

関 胎蔵界大日種子自然石塔婆(県指定史跡、南北朝時代中期 延文五年 1360年、安山岩、高さ 55Cm 幅 37Cm)

亡き両親の三十三回忌追善供養に造立された石塔婆で、表面上方の月輪内に胎蔵界大日種子「ア」、下方に願文と紀年銘を刻む。

石塔婆 上部

月輪内に胎蔵界大日如来の種子「ア」を刻む。

石塔婆 下部

五行で、願文と紀年銘を刻む。

刻銘:「右旨者、過去慈父悲、母三十三年、口口口也、延文(1360)二月、敬白

亡き両親の三十三回忌に造立された。尚、十三仏信仰の三十三回忌に割り当てられた仏菩薩は「虚空蔵菩薩」だが初期の十三仏板碑は大日に替っていることもある。

刻銘:延文五(1360)二月、敬白 胎蔵界大日如来の種子「ア」は、諸仏諸尊に通ずる。

関 延文五年銘 金剛界大日種子自然石塔婆

 関(せき)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町関字栃沢)(No:11-37後列、右から6基目)

  本石塔婆群中、最初の金剛界大日種子「バン」を刻む石塔婆で、延文五年(1360)の紀年銘がある。

関 金剛界大日種子自然石塔婆(県指定史跡、南北朝時代中期 延文五年 1360年、安山岩、高さ 52.5Cm 幅 40Cm)

自然石を加工せずそのまま利用し、表面上方月輪内に金剛界大日如来の種子「バン」、下方に願文と紀年銘を刻む。

石塔婆 上部

頭部山形に似た自然石を使用、月輪内に金剛界大日如来の種子「バン」を大きく刻む。

石塔婆 下部

五行の刻銘があり、願文と紀年銘を刻んでいる。

刻銘:口口口、口心逆修為、依此善根口、口口浄土、延文五(1360)六月、敬白

刻銘:「延文五(1360)六月 石塔婆群中、金剛界大日種子「バン」が刻まれた最初の石塔婆。

本石塔婆群では、1360~1370年代にかけて金剛界大日種子が多数を占めている。

関(せき)の古碑群(自然石塔婆群) (県指定史跡、南北朝時代前期~室町時代前期)

写真、後列の向って右から11基目が胎蔵界大日種子石塔婆(No:11-32)、6基目が金剛界大日種子石塔婆(No:11-37)。

関(せき)の古碑群(自然石塔婆群)現地説明板 (前列18基、後列24基、Noがついている)

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石段下に立つ石碑

「有名ナル亀(甕)杉ノ下ニ、六百年前ノ古碑アリ」の刻銘がある。

 板碑(いたび)

*JR五能線 「北金ヶ沢駅」下車、東南東方向へ 徒歩 約18分。

(撮影:平成25年10月15日)