関(せき)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町関字栃沢)(No:11-25、後列、左から7基目)
主尊として種子「アン」を刻む石塔婆で、南北朝時代後期 永徳元年(1381)の紀年銘がある。
関(せき)種子自然石塔婆(県指定史跡、南北朝時代後期 永徳元年 1381年、安山岩、高さ 49.5Cm 幅 40Cm)
自然石を加工せず流用、表面上方 月輪内に種子「アン」、下方は四行の罫線を引き内に 願文と「永徳元年」の紀年銘を刻む。 |
石塔婆 頂部
月輪内に種子「アン」を大きく刻む。
「アン」は通常、密教系の「阿弥陀如来(胎)」・「普賢菩薩(胎)」として知られ、「大日如来(胎)」種子として使われる場合もある。
石塔婆 下部
四行の罫線内に刻銘があり、法華経薬草喩品に出る偈(げ)を含む願文と紀年銘を刻む。
刻銘:「右石塔旨者、逆修現世安穏後、生善処故、永徳元(1381)五月 日」
法華経薬草喩品に出る偈(げ):「現世安穏(げんぜあんのん)、後生善処(ごしょうぜんしょ)」 [ 現世は安穏にして、後には弥陀の浄土に生ぜんことを ]
安倍氏の名が入った貞和二年(1346)銘 釈迦三尊種子自然石塔婆と同形式の願文が入る。
関(せき)の古碑群(青森県西津軽郡深浦町関字栃沢)(No:11-16 前列、右から3基目)
釈迦種子を主尊とする石塔婆はこれ一基のみで、南北朝時代後期 永徳年(1381~84)の紀年銘がある。
関 釈迦種子自然石塔婆(県指定史跡、南北朝時代後期 永徳年間 1381~84年、安山岩、高さ 58Cm 幅 45Cm)
表面上方 二重月輪内に釈迦如来の種子「バク」、下方は両端の小枠に造立趣旨と紀年銘を刻み、種子を蓮座と香炉で荘厳する。 |
石塔婆 上部
蓮座上二重月輪内に釈迦如来の種子「バク」を刻む。
石塔婆 下部
両端に小枠をつくり、向って右に「右石塔口悲母為」、左に「口口口永徳・・・・・」と刻む。
下方の中央部に香炉が刻まれている。
関(せき)の古碑群(自然石塔婆群)向って右端部 (県指定史跡、南北朝時代前期~室町時代前期)
写真、前列の向って左端が釈迦種子石塔婆(No:11-16)。
関(せき)の古碑群(自然石塔婆群)現地説明板 (前列18基、後列24基、Noがついている)
関(せき)至徳五年銘 胎蔵界大日種子自然石塔婆 石仏と石塔-目次!
甕杉(かめすぎ)(県指定天然記念物、樹齢 約1000年、高さ 約35m 幹まわり 最大 7m)
甕杉(かめすぎ)のそば、覆屋内に42基の石塔婆が安置されている。
*JR五能線 「北金ヶ沢駅」下車、東南東方向へ 徒歩 約18分。
(撮影:平成25年10月15日)