(弘前市史No:岩木 8 )
兼平天満宮(かねひらてんまんぐう)(青森県弘前市大字兼平字山下)
一尊種子として、珍しい種子が刻まれている石塔婆で、南北朝時代 康永三年(1344)の紀年銘がある。
一尊種子石塔婆 (市指定文化財、南北朝時代前期 康永三年 1344年、安山岩、高さ 100Cm 幅 45Cm 厚さ 24Cm)
社殿の左側、永仁四年銘断碑と同場所に立つ。石面は、上方に珍しい持国天(?)の種子、下方に願文と紀年銘を刻む。 |
石塔婆 上方
持国天種子「ヂリ」の右に「キリーク」でお馴染みの縦長 「イー点」がつく。
弘前市史は、「ヂーリ」と読んでいる。「ヂリー」と読むのかもしれない。全国的にも珍しい。
石塔婆 下方
五行に亘り願文と紀年銘が刻まれている。
刻銘:「口口度得、能解口口、右善根者祖悲母、成仏得道及以法界、康永三(1344)、甲申、六月」
刻銘:「康永三(1344)、甲申、六月」 | 一尊種子として、全国的にも例を見ない種子が刻まれている。 |
社殿横の石塔婆
向って左に本石塔婆、右に永仁四年銘断碑が安置されている。
中央は、今回見られなかったが「観応四年(1353)銘大日種子石塔婆(No:岩木10)」があったと思われる。
(弘前市史No:岩木 5 )
兼平天満宮(かねひらてんまんぐう)(青森県弘前市大字兼平字山下)
地蔵種子「イー」を主尊とする石塔婆で、下部の刻銘は磨滅し紀年銘は不明。
兼平天満宮 地蔵種子石塔婆 (市指定文化財、紀年銘なし、安山岩、高さ 68Cm 幅 53Cm 厚さ 21Cm)
天満宮参道、右手に立つ。石面は輪郭を巻き、上方に地蔵菩薩の種子「イー」、下方は銘文を刻んでいたと思われるが磨滅。 |
石塔婆 上方
地蔵菩薩の種子「イー」。
参道に立つ石塔婆 三基
中央が地蔵種子石塔婆。向って左端は永仁四年銘阿弥陀種子石塔婆、右端は金剛界大日種子石塔婆。
岩木山(1624.7m)
兼平天満宮から「国吉板碑群」に向う道路から見た岩木山(津軽富士)。
*JR弘前駅前から弘南バス 弘前~大秋・川原線に乗車、「如来瀬バス停」下車、北西方向へ 約1Km。「弘前駅観光案内所」で、レンタサイクルを利用するのも便利。
(撮影:平成25年10月14日)