正楽寺(しょうらくじ)種子自然石塔婆(二基)

 正楽寺(しょうらくじ)(山形県山形市幸町5-22)

正楽寺 阿弥陀一尊種子自然石塔婆

 生前、自分の為に死後の法要を営む「逆修供養塔」として、北朝年号の延文二年(1257)に造立された石塔婆。阿弥陀の種子「キリーク」が図案化されているのが興味深い。

正楽寺阿弥陀一尊種子自然石塔婆(県指定文化財、南北朝時代中期 延文二年 1357年、安山岩、高さ 70Cm

頂部山形の自然石 表面上部に、阿弥陀如来の種子「キリーク」を蓮華座上に刻み、その下中央に紀年銘、左右に願文を刻む

石塔婆 上部

頂部が山形の自然石、上部の幅は27Cm

図案化された阿弥陀の種子「キリーク」 石塔婆下部、中央に紀年銘、左右に願文が刻まれている

刻銘:中央に「延文二年(1357)大才丁酉七月廿一日敬白、左右に「右意者、為逆修、善根乃至法界平等故也」

正楽寺 金剛界大日種子自然石塔婆

正楽寺金剛界大日種子自然石塔婆(南北朝時代後期 至徳四年 1387年、安山岩、高さ 102Cm

頂部山形の自然石 表面上部に、五点具足の金剛界大日如来の種子「バーンク」、その下に「至徳四年(1387)の紀年銘を刻む

二基並んだ南北朝時代の石塔婆

二基とも北朝年号を使用しており、この地方が北朝の影響下にあることを示している

石塔婆上部、五点具足の金剛界大日如来の種子「バーンク」 石塔婆下部、「至徳第四天(1387)丁卯三月日」の刻銘

 光禅寺(こうぜんじ)阿弥陀一尊種子自然石塔婆                 石仏と石塔-目次!

正 楽 寺

 板碑(いたび)

*JR「山形駅」下車、南方向へ 約120m。山形駅に下り、南方向に「そば」と大書された看板を見て「そば」を食べに行ったらその隣に正楽寺があった。予定外の収穫だった。

(撮影:平成22年11月15日)