梨郷(りんごう)如来堂(山形県南陽市竹原字光山寺2-838-2)
中央の板碑は、江戸時代中期に追刻された「巳待(みまち)供養塔」の刻銘がある。
梨郷如来堂 種子板碑(中央)(鎌倉時代中期 、凝灰岩、高さ 240Cm 下幅 74Cm)
板碑は頂部の山形が尖り、下に二段の切込、身部上方に蓮華座上 無量寿(阿弥陀)の種子「アン」、下部に江戸時代の追刻文字を刻む |
板碑 頭部
大日板碑と同じく、頭頂が三角形に尖り、下に二段の切込、額部(がくぶ)は両端を面取りし、弧状に突出する。
身部下方中央に「巳待(みまち)供養塔」、左右に「安永六年(1777)八月吉日」の、江戸時代中期に追刻された刻銘がある |
巳待ち(みまち)は、己巳(つちのとみ)待ちとも呼ばれ、己巳の日に、講が集まり夜遅くまで精進し富や福を願う。主尊は弁財天で、水害が多い地方でよく行われたという
板碑自体は、隣の大日種子板碑(正元元年:1259年)と酷似しており、同時代の鎌倉時代中期の作品と考えられている
塔身 上部
蓮華座上に五重線からなる月輪をつくり、内に無量寿(阿弥陀、胎蔵界)の種子「アン」を薬研彫する
梨郷(りんごう)如来堂 板碑(向かって右端)
梨郷(りんごう)如来堂 板碑 (鎌倉時代中期 、凝灰岩、高さ 190Cm 下幅 57Cm)
板碑は、頂部の山形が尖り、二段の切込は両側面に及ぶ。身部は、内側に彫り込まれ、額部と根部が突出する形状になる |
身部の種子及び願文・紀年銘など、刻銘は摩耗が激しく判読できない。左側二基と同じ形状をしていることから、鎌倉時代中期の作品と考えられている
三基並んだ板碑 (鎌倉時代中期)
中央が無量寿仏(阿弥陀)の種子「アン」を刻んだ板碑。右端も同形で鎌倉時代中期の作品
梨郷 神社
神社から南へ 数十メートル行った所に如来堂がある
*山形鉄道フラワー長井線「梨郷(りんごう)駅」下車、北方向へ 約900m。
(撮影:平成22年11月16日)